新デバイスはコストに課題、在宅や施設で使える環境整備も必要

 東京医科歯科大学医学部附属病院の皮膚・排泄ケア認定看護師である射場朝子氏は、排尿ケアにピュアウィックを試験的に導入した経験から、臨床上、医療経済上の観点から紹介した。

東京医科歯科大学医学部附属病院の皮膚・排泄ケア認定看護師である射場朝子氏

 導入の対象としたのは、認知機能や手足、視力などの問題でおむつ内排尿となっている患者で、大きな問題は認められなかったという。射場氏は「ピュアウィックは、装着や交換が容易。患者さんにとっては、特に夜間のおむつ交換で起こされずに済むメリットは大きいのではないか」と評価する。

 「1L以上の吸収が可能な長時間用オムツはあるが、例えば500mLの排尿があれば、股間にペットボトル1本を入れたのと同じ。不快感は大きい」(同氏)。

 一方、射場氏は、コストの高さを問題点として指摘した。ピュアウィックは、1本当たりの希望小売価格が1100円。標準的な尿量(1日1500mL)の場合、1日2回程度の交換が必要で、1日当たり2200円となる。

 これは、膀胱留置カテーテルの240円(7日間使用可能で1690円)、長時間用オムツの450円(1100mL吸収用9枚入りLサイズで2000円を2枚使用)、長時間尿取りパッドの105円(600mL吸収30枚入り1000円を3枚使用)に比べて大幅に高い(いずれも東京医科歯科大病院売店などの参考価格)。

 半面、尿路感染症や褥瘡の治療費や、患者の苦痛軽減、オムツ交換などに要する介護者の手間や身体的負担の軽減などの効果もあり、長期的・総合的な観点でコストを見る必要がある。

 また、ピュアウィックを使うためには、連続的な吸引が必要なため、今のところ病院の病室でしか使えない。こうした設備がない場所で使うためには、組み合わせて使用できる吸引ポンプなどが必要となる。射場氏は「今後は介護施設や在宅でも使える環境の整備が必要」と指摘していた。

 なお、国内ではBDグループのメディコンがピュアウィックを販売する。発売3年後の年間販売目標は3億円を目指す(メディコンUCC事業部長の濱地和弘氏)という。

(タイトル部のImage:Beyond Healthが撮影)
■変更履歴
記事初出時、「日本BDグループのメディコン」とあったのは「BDグループのメディコン」でした。また、「今後3年間の販売目標」とあったのは「発売3年後の年間販売目標」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。