画質向上で「精緻な手技ができる」

 新たに開発したアンバーのLEDによって、「出血や炎症などの赤い部位に対して良好な色再現性を発揮するシステムを構築することができた」と同社 消化器内視鏡開発 ダイレクターの倉康人氏は話す。LEDを使用しているため、長寿命でメンテナンス性に優れるという特徴も併せ持つ。

 EVIS X1を使用した昭和大学江東豊洲病院 消化器センター センター長 教授の井上晴洋氏は、「電子スコープの発売以来35年間、2系統に分かれていた内視鏡がいよいよ一本化することが喜ばしい」と話す。従来の内視鏡システムよりも画質が向上しており、より精緻な手技ができるという。食道や胃に関しては診断と同じスコープで治療ができるといい、「早期がんの診断や治療が容易になるだろう」と同氏は見ている。

昭和大学江東豊洲病院 消化器センター センター長 教授の井上晴洋氏(出所:オリンパス)

 なお、EVIS X1は既存の内視鏡システムとも互換性を持つ。そのため、EVIS LUCERA ELITEやEVIS EXERA Ⅲで使用していたスコープは全てEVIS X1で使用でき、逆にEVIS X1で新しく開発したスコープをEVIS LUCERA ELITEやEVIS EXERA Ⅲで使うこともできる。

2枚の画像を合成し、簡便なピント合わせを実現

 EVIS X1には、同社独自のイメージング技術である(1)EDOF(被写界深度拡大技術)、(2)RDI(赤色光観察)、(3)TXI(構造色彩強調機能)を搭載した。

 (1)のEDOFは、焦点範囲の広い内視鏡画像を得るための技術である。これまで、心臓の拍動や腸の蠕動運動がある状況での焦点合わせは、検査時間が延長したり、医師にストレスを与えたりしていた。

 また、内視鏡治療を実施する前にがんの深達度を正確に診断する拡大内視鏡は、拡大することでピントの合う範囲が狭くなってしまうという欠点があった。そのため、画面全体にピントを合わせるには、医師の操作によって補完する必要があった。

 そこで、EDOFでは、近い距離と遠い距離のそれぞれに焦点が合った2つの画像を取り出して合成することで、リアルタイムに焦点範囲の広い画像を得ることを可能にしている。具体的には、内視鏡先端のレンズから取り込んだ光を2つの光路に分割し、2つの異なる画像を取り出す。それぞれの画像でピントの合っている部分だけを抽出して1枚の画像に合成することで、広い範囲にピントが合う画像を得られるというわけだ。