深部血管や出血箇所の視認性を向上

 (2)のRDIは、内視鏡治療を行う際の出血を防いだり、出血した場合に迅速な止血をサポートしたりする技術である。近年、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など内視鏡を使った治療が行われており、こうした治療を安全に行うために搭載した技術である。

 RDIのモードを用いる場合は、赤と緑、アンバーの3色のLEDを光源として使用する。波長の長い赤やアンバーの光は、粘膜よりも深い位置に到達することができ、アンバーは赤よりも血中のヘモグロビンに吸収されやすいという特徴がある。これを踏まえて、血管に吸収されるアンバーの光と、吸収されない赤の光の差分を画像化することで、深部血管の視認性を向上させることができる。

RDIによる深部血管の視認性向上(出所:オリンパスの発表資料)

 この特徴は、治療中に出血した場合の出血部位の探索にも役立てる。治療中に出血すると、止血のために水で洗浄するため、観察部位が全体的に赤く染まってしまい、どこから出血しているか特定するのが難しい。その際に、アンバーのLEDがヘモグロビンに吸収されやすいという特徴を使えば、「新鮮血が多く出ている出血部位が見つけやすくなる」(倉氏)。

 (3)のTXIは、観察部位の表面の構造や凹凸、色調の変化を強調して内視鏡観察をサポートする技術である。通常光観察で得られる画像を構造成分と明るさ成分に分離して、処理を加え、再び1枚の画像にすることで、色のコントラストや凹凸がはっきりする画像を作ることができる。

従来製品である「EVIS EXERA Ⅲ」を用いた場合の通常光観察の画像(左)とTXI処理を施した画像(右)。構造や色彩、明るさが強調されている(出所:オリンパスの発表資料)

 EVIX X1では、こうした画像処理を操作者の指示によってリアルタイムの動画で実行することが可能だ。昭和大学江東豊洲病院の井上氏は、「通常観察では見落としそうになる部位も、TXI画像では見つけやすい」と語る。特にポリープの境界面などがくっきり見えるという。

胃の幽門部を通常光で観察した様子(左)とTXIで観察した様子(右)。右の画像の方がポリープの境界がはっきりしている(写真:オンライン記者会見の画面キャプチャー)

 このほか、タッチパネルを採用するなど、EVIS X1では使い勝手の向上も図った。国内では、およそ3万3000台の内視鏡が稼働しているといわれ、その70%が購入から5年以上経過しているとされている。まずはこの層をメインターゲットに、販売促進をしていき考えだ。

(タイトル部のImage:出所はオリンパス)