「100歳まで笑顔で歩ける足」を目指す新しい学術団体が7月1日に誕生した。「日本フットケア・足病医学会」という名称で、 旧来の日本フットケア学会(会員数:3893人)と日本下肢救済・足病学会(会員数:1937人)を統合して設立された。

 新理事長に就任した小林修三氏(湘南鎌倉総合病院院長代行・腎臓病総合医療センター長)は「学会は医療人のためではなく、患者のためになくてはならない。For the patients として、フットケアから重症虚血肢への進展防止、装具・義足などリハビリテーションまで終始一貫した『足病』の診療体制の確立に向け、我が国の医療者全員によるオールジャパン体制で取り組む決意を示したもの」と学会新設の意義を説明する。

日本フットケア・足病医学会理事長に就任した小林氏(写真:Beyond Health編集部)

 巻き爪や魚の目、下肢静脈瘤、糖尿病性潰瘍、重症虚血肢など、下腿から足先にかけて発症する「足病」は、小児から若年女性、壮年男性、高齢者まで幅広い年齢層で発症しQOL(生活の質)を大きく阻害し、時に死に至らしめる。関係学会の調査によれば、我が国の60歳以上の約700万人が足病変を有しており、間欠性跛行(しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる症状)や下肢潰瘍の原因となる末梢動脈疾患(PAD)の有病者数は約320万人、人工透析患者を中心に重症下肢虚血(CLI)約 18万人、うち下肢切断に至るのが1万人以上といわれている。

 中でも患者数が多い糖尿病性潰瘍患者は、潰瘍発症後7~20%が下肢切断となり、切断後はQOLが大きく低下するだけでなく死亡率も高い。糖尿病性潰瘍患者の下肢切断後の5年生存率は約30%と、一部のがんよりも悪い数字だ。現在の糖尿病患者の高い有病率を考えると今後、糖尿病性潰瘍や下肢切断に至る人はますます増えることが予想される。