一般社団法人日本ケアテック協会は2021年6月30日、東京・芝浦で設立記念総会を開催した(関連記事:日本ケアテック協会、設立記念総会を開催)。会の後半では、ケアテックフォーラムと題して、政策・施設介護・在宅介護の3つのテーマで同協会理事らによる講演、パネルディスカッションを実施した。

 このうちセッション2では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた「施設介護における生産性向上」をテーマに議論が展開された。司会を務めた慶應義塾大医学部医療政策・管理学ウェルビーイングリサーチセンター研究員の池田紫乃氏が話題として挙げたのは「コロナ禍」。介護現場ではさまざまな苦労が増えた一方で、コロナ禍がポジティブな変化をもたらしている部分もある。このような背景にあって、コロナ禍が「実際の介護現場のデジタル化にどのような影響を与えたのか」をそれぞれに聞いた。

慶應義塾大医学部医療政策・管理学ウェルビーイングリサーチセンター研究員の池田紫乃氏
慶應義塾大医学部医療政策・管理学ウェルビーイングリサーチセンター研究員の池田紫乃氏
[画像のクリックで別ページへ]

 介護福祉施設等を運営するとともに介護ロボットの活用にも積極的に取り組む善光会 理事/最高執行責任者/統括施設局長の宮本隆史氏、コロナ禍によって「DXが加速度的に進んだ」と語る。そもそも、介護は直接的なコンタクトがメインとなる仕事なだけに、テクノロジーが導入されにくい側面があった。しかし、コロナ禍によってセンサーの活用が増えたほか、職員同士の会議やコミュニケーションなども一気にオンライン化されたという。このような感染対策によって「申し送り時間の短縮などにも寄与している」とした。

善光会 理事/最高執行責任者/統括施設局長の宮本隆史氏
善光会 理事/最高執行責任者/統括施設局長の宮本隆史氏
[画像のクリックで別ページへ]

 また宮本氏によれば、テクノロジーに対する風向きはコロナ禍以前にも「変わりつつあった」ものの、コロナ禍によってそれが「一歩も二歩もさらに前進した」とのこと。それを踏まえれば、介護現場におけるテクノロジー導入の加速は「コロナ禍によって生まれたポジティブな面の1つだ」と宮本氏は位置付ける。