GEヘルスケア・ジャパンは、デジタルソリューションの実装を推進する新規部署として、プラットフォームの構築とパートナーシップによる共創をリードする「Edison Solution本部」を発足した。2020年7月7日に開催した「2020年成長戦略発表会」で詳細を明らかにした。

 同社 代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏は、Edison Solution本部を「医療におけるデジタルソリューションを全社横断で推進する組織」と位置付ける。次の世代につながる社会共創基盤を「幅広いパートナー企業とともに構築し、医療のさまざまな問題解決に貢献する」との考えを示した。

GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏(写真:近藤 寿成、以下同)

 医療を取り巻く現状について多田氏は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつも、あえて「人口動態」や「労働者数推移」に着目する。医療介護ニーズの増加と労働人口の減少が進むなかで「医療従事者のマンパワー確保に課題がある」と指摘。今後は医療提供における質と効率の向上とともに、医療崩壊を起こさないための「キャパシティのコントロールが求められる」と訴えた。

 そこで近年、同社ではリアルタイムデータに基づく行動変容を実現するためのソリューション提供を進めている。例えば、新型コロナウイルス感染症に対応しながら医療崩壊を防ぐために、キャパシティ確保を目的とした安価かつ短時間に設置できるコンテナ型の簡易CT室の提供を開始。また、院内の無駄の削減や機器稼働率の最適化を目指した「病床管理ソリューション」や「遠隔モニタリングツール」なども開発している。

 このような取り組みを進めるなかで、多田氏が懸念するのは「データは無限に利用できる資源であるが、過少利用されると、逆に個人にとっての不利益につながる」という点だ。そこで同社では、「さまざまなデータを多角的に統合する」ことでより精密な「診断」「治療」「観察」を目指す考え。さらに、患者を中心とした経年的なデータを包括的に収集することが、「今後の個人や社会にとっての便益につながっていく」と強調する。

 ただし、その実現はGEヘルスケア・ジャパン1社だけでは難しい。そこで必要となるのが「共創によるエコシステムの構築」というわけだ。さまざまな企業や研究機関などとパートナーシップを組むとともに、それぞれの強みを共有するプラットフォームを作り、継続的な課題解決を目指す。

 さらに多田氏は「社会実装の重要性」も指摘。2020年4月の段階ですでに2桁の数の取り組みが進んでいることにも触れ、最終的には「医療機関や患者の利益になるような還元が必要であり、それによってエコシステムが回っていく」と語った。