曲げ伸ばししても破損しない

 スキンディスプレーの開発には、皮膚に貼り付けられるほど伸縮性のある電子回路基板を実現するため、伸縮変形に追従できる電極配線を採用する必要がある。しかし、これまでの電極配線は、素材を伸ばした際に電気抵抗が大きくなり、繰り返し伸縮すると断線しやすく、柔らかい材料と硬い部品の接合部に応力がかかり破損しやすいという課題があった。

電極配線の比較(出所:記者会見の発表資料)

 そこで大日本印刷は、“DNP方式”と呼ぶ独自の電極配線を開発。この配線は、一方向だけではなく全方向に伸縮可能で、変形させても電気抵抗が変化しないという特徴を持つ。

 一般に、30%の伸縮率があれば体表面の伸縮に追従できるとされているが、DNP方式の配線では200%の伸縮率を実現できるため、「伸び縮みの耐久性が非常に高い」と大日本印刷 研究開発センター 部長の前田博己氏は話す。配線と電子部品をつないだ状態で、電極の伸び縮みを100万回以上繰り返しても、断線や抵抗値の変動がないことが確認できているという。

伸び縮みさせても破損しない様子(出所:大日本印刷)

 この配線を採用した電極を使用することで、1.5㎜角という比較的大きなフルカラーLEDを搭載しても、伸び縮みに伴って破損することのないスキンディスプレーを開発できたというわけだ。そのため、皮膚だけでなく曲面を含むさまざまなものに貼り付けることができる。