卵巣に残っている卵子の数が何歳相当であるかを表す「卵巣年齢」。卵巣の予備能力の目安であり、妊活や不妊治療のタイミングを判断するデータとして利用される。この卵巣年齢測定が、自宅で手軽にできるキットが発売された。妊娠・不妊治療に関するサービスを提供するスタートアップのF Treatmentが開発・販売する卵巣年齢チェックキット「F check」である。

 F checkは、血液検査用の穿刺針、血漿分離デバイス(シリンダー、密閉キャップ、ボトル)、吸引器、消毒布・絆創膏などの血液検査キットと返信用封筒、説明書などがセットになっている(写真1)。血液検査キットを使って指先から0.1mLの血液を採取し、検査センター(登録衛生検査所)に郵送する。約10日後には自身のスマートフォンやパソコンから閲覧できるマイページ上で卵巣年齢を知ることができる。

写真1●F checkのキット内容。指先から微量の血液を自己採血するツールなどがセットになっている。(提供:F Treatment、写真2も)

 マイページでは、生活習慣などについて19の設問に回答することで不妊の兆候を把握することができる自己診断ツールや、同社が運営する不妊治療情報提供サイト「不妊治療net」経由で病院検索もできる。また、検査結果を踏まえ、妊活における不安や悩みを専門家に相談できるサービスも今秋に開始する予定。価格は1万9980円(税別)、同社のホームページから購入できる。

写真2●F checkの検査結果画面

 卵巣年齢検査は、AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査と呼ばれる。発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンであるAMHの値が原始卵胞から発育する前胞卵胞数を反映するとされ、値は卵巣内にどれくらい卵子の数が残っているかを表している。その残存数によって卵巣の年齢を推定したのが、卵巣年齢だ(写真2)。

 卵子の数は母体内の胎児において約700万個あり、出生時に約200万個まで減少。思春期には20万~30万個になり、生理とともに減り続け、閉経時にはゼロに近づくという。卵子の数が少なくなる卵巣年齢の上昇は、妊活や不妊治療ができる期間が限られてくることが分かる。一方、卵巣年齢が低く月経不順の場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が考えられ、排卵が阻害されることで不妊の原因になることがある。卵巣年齢は個人差が大きいものの、実年齢と必ずしも相関しないため、卵巣年齢を把握することは妊活や不妊治療を考える上で重要という。