異なるアプローチから睡眠を科学する

●Neteera

Neteera Director of Business Development and Marketing マリア・レヴィン氏

 Neteeraの提供ソリューションはBiobeatやElfi-Tech同様の独自デバイス/センシングによる遠隔モニタリングだが、計測技術に敏感な「BCG(心弾動)」を用いる。これは心臓の鼓動に伴う微小な体の振動をキャッチするもので、ここから心拍、呼吸速度、心拍変動などを計測する。

 創業者はインテルに巨額買収されたMobileye出身で、技術力は高い。自動運転時の乗客データモニタリングでも注目される同社の技術は、デジタルヘルスでもいかんなく発揮されている。マイクロ波レーダーをチップ上に乗せた4.5センチ四方の小型デバイスを開発。同社Director of Business Development and Marketingのマリア・レヴィン氏は「弊社のセンサーはリモートでバイタルサインの測定が可能。2メートルまでの範囲内であれば、患者のバイタルサインを測定できる」と言う。

 同社では測定精度を向上するため、動作補正のアルゴリズムを開発。より明確なバイタルサインの取得を可能とした。レヴィン氏は米国で進行中の睡眠時無呼吸症候群患者の臨床試験サンプルを示しながら、「どこで呼吸が止まっているかが一目で分かる」と精度の高さを強調した。

Neteeraのデバイスとソリューション概要

 肌に身につけない遠隔モニタリングによって、睡眠を始め、入院患者、在宅患者、新生児などさまざまな計測に利用できる。先述したようにこの技術はすでにドライバーのモニタリングに活用されており、13種類もの特許を有する。2019年2月にFDAの認証プロセスを開始し、2020年に向けて本格展開を見込む。

●Widemed

Widemed CEO ヤーコブ・バー・レヴ氏

 Widemedは2000年の設立以来、睡眠実験室による検査、在宅睡眠検査の自動分析技術を提供してきたその道のパイオニア。コンピュータによる睡眠スコア支援ソリューションとして世界で初めてFDAの認証を取得した。

 同社CEOのヤーコブ・バー・レヴ氏は、現代人が受ける過度なプレッシャーが睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群を引き起こすとするが、「大半の人はそのことにさえ気づいていない。なぜなら睡眠検査は2時間もかかるからだ。睡眠に関して問題を抱えている人たちすべてを検査するのは不可能に近い」と指摘する。

 そこで同社が開発した小型デバイスが有用だと説く。デバイスで取得したデータを自動分析ソリューションに収集し、クラウドを介して医師の診断を仰ぐ。「我々はデバイスを売っているのではなく、あくまでサービスを提供している。自分の慣れ親しんだ自宅の環境で睡眠検査を行い、サービスで稼ぐモデル。5~10分で分析できるのもメリットだ。医師は分析結果の報告書を見て、この患者にはCPAP(睡眠時無呼吸症候群用の装置)が必要なのか、それとも他の治療方法が必要なのかを判断できる」(レヴ氏)。

日本語で書かれたWidemedのサービス概要

 欧米で事業化も済んでおり、NASAとの協業では宇宙空間での宇宙飛行士の睡眠テスト用に同社のシステムが採用された。こうした実績を武器に、日本での事業会社設立にも意欲を燃やす。


(タイトル部のImage:mikelaptev -stock.adobe.com)