細胞内の物質や構造を分解して、細胞を再生する──。そんな一連の現象である「オートファジー」。2016年には東京工業大学 栄誉教授の大隅良典氏が、その仕組みを解明した研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した。

 この現象によって、細胞の新陳代謝を促したり有害物を排除したりできる。つまり、オートファジーを調節すればアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の予防や治療を行える可能性があると期待されている。

 そんなオートファジーを主軸とした事業の展開を目指しているのが、大阪大学発スタートアップのAutoPhagyGOである。同社は2020年7月28日に記者会見を開き、事業戦略を説明した。

1億円の資金調達を実施

 同社が目指すのは、オートファジーに関する研究開発と社会実装をサイクルさせるオープンイノベーションプラットフォームの実現だ。多様な企業との共同研究を実施して製品開発を行い、それによって得られた資金を再び大学の基礎研究に用いる──というサイクルを展望する。

AutoPhagyGOが目指すオープンイノベーションプラットフォームの概要(出所:AutoPhagyGOの発表資料)

 具体的には、オートファジー研究の成果を健康長寿に活用するため、老化の予防や老化関連疾患を改善させる生活習慣や食品、医薬品の研究開発を行うという。特に、「人生の終末期に訪れる不健康な期間を短くするためにオートファジー研究を活用したい」と同社 代表取締役社長の石堂美和子氏は意気込む。

AutoPhagyGO 代表取締役社長の石堂美和子氏(写真:記者会見のオンライン画面キャプチャー)

 既に、UHA味覚糖やMORESCO、花王、ダイセル、小林製薬の5社と委託・共同研究を行っており、今後は「多業種との共同研究の実施や企業間マッチングを促進していきたい」(AutoPhagyGO 代表取締役副社長の花岡秀樹氏)とする。

 このほど、UHA味覚糖やMORESCOなどから第三者割当増資を実施し、総額1億円の資金調達を実施したことも明らかにした。オートファジーの研究や事業化を推進することを目的としている。