医療の周縁を支える最先端テクノロジー

●BeaconCure

 BeaconCureのターゲットは医薬品・医療機器申請業務の効率化。自然言語技術と機械学習を組み合わせ、承認申請のプロセスをサポートする。同社Founder & CEOのヨラン・バー氏は「以前はこうした検証は手動で行われていた。これを自動化することで業務が加速する。それにより、さまざまなメリットが生まれる」とサービスの狙いについて語った。

BeaconCure Founder & CEO ヨラン・バー氏

 BeaconCureがサポートするのは、メディカルライターやQC(品質管理)チームの確認・検証作業。FDAの報告書によると全新薬に関する申請書の21%が技術的なエラーによって差し戻され、再度データエラーを確認する作業に追われる現実がある。だが同社のソリューションによって70%の業務量削減が可能となり、エラー検知も自動化。結果的に医薬品の市場投入を高速化できるとする。

BeaconCureのサポート部分を説明するバー氏

 同社では5年以内にすべてのプロセスを自動化したいと考えている。「1カ月でも早く市販することができれば、製薬企業の収益増加も大きい。患者自身、少しでも早く薬の恩恵を受けられる。命を救われる人もいるかもしれない」(バー氏)。さらに自動化は大量データ処理を可能にし、それに伴うコスト削減や労働時間短縮などのベネフィットももたらすとしている。

●Sternum

 医療機器のデジタル化、ネットワーク化は利便性をもたらす。一方、最も機微な生体情報を扱うだけに情報流出にはとりわけ留意する必要がある。SternumはIoTセキュリティーに特化した企業であり、医療機器メーカーのニーズにあわせたセキュリティーソリューションを提供する。

 同社CEOのナタリ・ツーバ氏は「IoTのセキュリティーレベルは他の分野に比べて非常に低いのが現状。なぜならパソコンや企業システムとは構造が異なるからだ」と警鐘を鳴らす。用途が限られた機器類は多種多様なOSが使われており、通信プロトコルもモバイル通信、Bluetooth、Wi-Fiなどが混在している。こうした理由から、脆弱性が解決されていないのだという。

Sternum CEO ナタリ・ツーバ氏

 そこで同社では、EIV(Embedded Integrity Verification)と呼ぶハードウエア埋め込み型のセキュリティーソリューションを開発した。これにより、環境によらずサイバー攻撃へのリアルタイム防御が可能となり、イベント管理システムで脅威を監視することができる。「デバイス上にEIVを走らせることでマルウエアから保護する。サードパーティコードの管理も行っており、アップデートが必要な場合はアラートを発する」(ツーバ氏)。

SternumのEIV

 セキュリティー攻撃・防御双方のプロフェッショナルを揃えているのも同社の強みだ。2018年にはFDAが医療機器市販前申請時のサイバーセキュリティー管理に向けたガイダンス草案を発表するなど、今後はデジタルヘルスにおける強固なセキュリティーは不可避のマナーとなる。Sternumソリューションは、まさにこうしたニーズを捉えたものと言えるだろう。

(タイトル部のImage:mikelaptev -stock.adobe.com)