「ソニーグループが介護事業をスタートできたのは、ぴあはーと藤が丘があったからこそ」――。現在、「ソナーレ」シリーズを展開しているソニーグループが介護事業に参入したのは、2013年にさかのぼる。介護付有料老人ホーム「ぴあはーと 藤が丘」(横浜市青葉区)をソニーフィナンシャルホールディングスが買収。ソニーグループの資本のもとで運営を始めたのがキッカケだ。

 この「ぴあはーと藤が丘」が、このたび横浜市青葉区市ケ尾町に移転、装いも新たに「ぴあはーと市が尾」としてオープンする。2019年7月末、プレス向けの内覧も兼ねた開所式が開催された。ソニーグループで介護事業を手掛けるライフケアデザイン 代表取締役社長の出井学氏は冒頭のように語った上で、「ライフケアデザインが企業理念として掲げる『Life Focus』は、元をたどれば起点はぴあはーと藤が丘にある」と振り返った。

テープカットの様子。左からぴあはーと市が尾 施主の杉山逸夫氏、上市ヶ尾町内会 会長の蕪木豊氏、ライフケアデザイン 代表取締役社長の出井学氏、コーナン建設 東京支社 取締役執行役員 営業本部長の山手慎二氏、アクシャル 代表取締役の村上洋一郎氏(写真:近藤 寿成、以下同)

 出井氏は、ぴあはーと藤が丘を始めて訪れた際に「何とも言えないアットホームな生活感を感じた」という。その感覚が、Life Focusという企業理念につながっているとする。これは、「入居者が、老人ホームで身体的なケアを求めるのは当たり前」(同氏)という前提に立ち、入居者が自宅から老人ホームへ移り住む際に抱える「自宅からの転居」「家族からの独居」「新たな集団生活」という3つのストレスに対する精神的なケアを重視する考え方だ。

 ソニーグループが展開するソナーレシリーズでは、基本的な取り組みとして「手厚い人員配置(2:1基準)」「24時間看護職常駐」「提携医療機関体制の充実」「栄養士連携による食事管理」「看取り・終末期対応」「“気づき”の品質管理」を導入している。これらは、ぴあはーと藤が丘をモデルとしている。

ライフケアデザイン 代表取締役社長の出井学氏

 出井氏は、ソニーのコーポレートカラーを引き合いに「出藍の誉れ」という故事を紹介。これは「青は藍より出でて藍より青し」のことであり、弟子が師匠よりも優れていることの例えである。出井氏にとって、ぴあはーと藤が丘は「介護の品質を追求する考え方の起点だった」ことから、移転後のぴあはーと市が尾では「それをさらに追求していく」との意気込みを示した。