がん治療が大きく進展する中、新しい治療に伴う心血管系の副作用に対する対応が注目されている。また、超高齢化社会にあって、がんと循環器疾患など併存疾患を患う患者も増加している。こうした医療課題を解決しようと、神戸大学大学院医学研究科・医学部とGEヘルスケア・ジャパンが共同研究講座を設置した。

 2019年4月1日に設置した「先進医用画像診断学部門」である。腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)領域における新たな画像撮影技術や診断法を開発し、病気の早期発見と診断・治療に貢献することを目指す。

 それらを担う医師・技術者の育成も同時に推進する。研究拠点である神戸大をGEヘルスケア・ジャパンが支援し、人工知能(AI)を活用した診断支援システムの開発を進め、放射線部門の医師・技術者の負担軽減や医療の効率化につなげていく。国立循環器病研究センターや兵庫県立姫路循環器病センター、国立がん研究センター中央病院、兵庫県立がんセンターなどとの協力関係を生かし、より内容の充実した研究を推進していくという。

 8月5日に開催した会見に登壇したGEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長 兼 CEOの多田荘一郎氏は、共同研究講座の意義について次のように述べた。「がんと循環器疾患を併存する患者が増えている社会背景の中で、その課題解決を技術的、アカデミック的に確立していくことは、最終的に一人ひとりに合った質の高い医療を効率よく提供できると考えている」。

GEヘルスケア・ジャパンの多田氏(写真:Beyond Healthが撮影)

 長期的で複雑な課題解決のために、単純なパートナーシップでは困難だと多田氏は指摘する。「多くのアカデミアや企業が共同利用できるプラットフォームが必要になるだろう。その構築とコクリエーションによって、新たなエコシステムを築いていきたい」(同氏)とした。