杖歩行自立期間や疼痛の軽減に有意差

 神戸海星病院では、Makoを導入する以前は術前計画に基づいて手技を誘導するナビゲーションシステムを利用してきた。人工股関節を脱臼などが起こりにくい安全で適正な位置に設置できた割合は、ナビゲーションシステムのときと比べると、設置位置の測定誤差を考慮する必要はあるものの、明らかにMakoシステムが有意に高かったという。「ナビゲーションシステムでは幾つかの症例で許容範囲から外れるケースがあったが、Makoを使えばピンポイントで許容範囲に収まる」(柴沼氏)。

神戸海星病院副院長の柴沼氏

 また同氏は、従来の医師の手による手術とMakoを利用した手術を比較した文献のデータも紹介。Lewinnek法と呼ばれる指標では、従来の手術が80%だったのに対し、Makoでは100%が安全領域に設置された。Callanan法と呼ばれる指標では、従来手術が62%であったのがMakoでは92%だったという。

 同病院におけるナビゲーションシステムとMakoによる手術の成果比較は、人工股関節の正確・安全な設置以外にも、杖による自立歩行が可能になるまでの期間や術後の疼痛などにも表れているという。杖歩行の自立期間ではナビゲーションシステムが平均12.4日だったのに対し、Makoシステムでは同9.8日に短縮された。疼痛については、看護師によるNumerical Rating Scale(NRS)を用いて痛みを評価すると、「Mako群の方が術後10、14日目の疼痛が有意に低かった」(同氏)。

 こうした評価からMakoによる人工関節置換術は、「結果として、良好な治療成績を期待できる」と柴沼氏。術者の教育的な意義についても、「自分の手技が数値化され、客観的な評価が可能になるため、手技の上達度を見える化できるだろう」と語った。

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