老化の主要な要因や過程を分析し、老化を遅らせることを目的にした研究組織「プロダクティブ・エイジング研究機構」(IRPA=Institute for Research on Productive Aging)が設立された。製薬会社や健康長寿に関わる企業などと連携して共同研究を進めていく。研究成果を基に連携企業などを通して、サプリメントや医薬品などの製品化につなげる。

 プロダクティブ・エイジングは、高齢者が精神的・肉体的に健康を保持し、個人の生活や社会に対する貢献において生産的な生活を送ることを意味する概念だとされる。IRPA代表理事の鍋島陽一氏は、プロダクティブ・エイジングを実現するためには、次のような2つの研究を進めることが不可欠だと説明した。1つは、老化プロセスの薬理学的、栄養学的なコントロールを目指す研究。もう1つは、老化や生活習慣病などの疾患治療と予防を目指す研究である。

2020年9月4日に開催されたIRPA設立会見で説明する鍋島氏(写真:記者会見のオンライン画面キャプチャー)

 そして、IRPA設立の意義をこう語った。「老化および寿命を制御する分子メカニズムの根本的な理解に基づく研究によって、抗老化方法論の開発とその社会実装に務めることが重要だ。それが、我が国および世界の人々の健康寿命の延伸と高齢化社会が抱える問題解決につながると考えている」(鍋島氏)。

 老化疾患の発症や老化に伴う機能低下を抑えようとする考え方は、欧米を中心に急速に広がっていると同氏は指摘。IRPAは、こうした潮流を推し進めようとしている世界の研究者と協力しながら、関連事業を進めたいとした。