インド市場を選んだ理由は…

 一方で、課題だったのが「高齢者がユーザーであることの障壁」(久保氏)だという。「AI問診 Ubie」はタブレット端末で入力するのだが、例えば、最初に選ぶ「主訴」をユーザーが選び出せないという状況があった。そこでさまざまな検証を重ね、カラオケの入力デバイス(リモコン)などから着想を得て、タップだけで済む新しいUIを採用した。

 当初は小さなクリニックへの導入も想定していたが、大病院の方が時間削減へのニーズが高いことが分かったことから、病院向けにピボットして開発を進めるようになったという。その結果、現在では「大病院10件を含む100件以上の医療機関に導入」(久保氏)されており、外来での問診時間は実績として1/3に短縮されたとする。

 そして現在は、前述の通りインド市場にも挑戦している。ただし、インドをはじめとする海外では、「営業部を組織してBtoBを攻めることが、スタートアップではなかなか難しい」(久保氏)。このため、Webでユーザーとの接点を持てるBtoCのサービスを選択した。そこで、2018年10月にスタートしたのが、個人の患者向けに、症状にあわせたアドバイスを提供するインド版Webサービス「Dr.Ubie」というわけだ。

 インド市場を選んだ理由を久保氏は、「ユーザーのニーズが強いから」と語る。そもそも、インドは保険に加入している人が非常に少ないばかりか、裕福ではない人が多いことから、受診抑制の傾向が強い。その結果、患者は重症化しがち。そこに、ニーズがあると考えた。さらに、規制についても新規テクノロジーを活用したサービスに対して寛容性が高く、13億人という圧倒的な人口の市場性も魅力的だとする。

 海外展開は始まったばかりのフェーズだが、久保氏は「最初から世界で戦える市場を選び、世界で戦える優位性を作ることが重要だ」と説く。そして、どの国であっても「ユーザーの声が大切」と強調する。インドであれば価格を気にする人が多いことから、「治療費などを提案する機能を付けている」(久保氏)という。

 これを受けて、後半のINDEE Japan津田氏とのトークセッションに移行した。