仮説が間違っていた場合、それを受け入れる文化が重要

 久保氏の講演の最後に「ユーザーの声が大切」という話が出た。その一方で技術開発に対するプライドも存在する。そこで津田氏は「そのバランスをどう取っているのか」と投げかけた。

INDEE Japanの津田氏

 久保氏は「起業した当時と比べると、検証にフォーカスするようになった」と回答。「作ることに時間をかけ過ぎたら終わり」と補足した。過去の経験談として、あるサービスを開始してから約2カ月で10人ほどの利用者すべてがチャーン(churn:離脱)してしまったときに、「ユーザーの声の重要さに気づかされた」と久保氏は語る。

 次に津田氏は、Ubieについて「(事業の)軸はしっかりしつつも、機敏にピボットする」という点を指摘。ピボットする際のポイントや考えなどを尋ねた。

 これに対して久保氏は、「社内での積極的なコミュニケーション」を挙げた。それまでに立ててきた仮説がもし間違っていた場合に、「全員がそれをしっかり受け入れ、次のステップに没頭することを良しとする文化が大切」とし、「(いまのUbieには)そういった環境が形成できていると感じている」と語った。

 「話を聞いていると、すべてがうまくくいっているようにも思えるが、課題はないのか」。津田氏はそう振ると、久保氏は喫緊の課題として「ビジネス系の人材をスケールできていない」と打ち明けた。

 もっとも、そのような人材採用は進めているところだというものの、病院やクリニックから「サービスを使ってみたい」と言われても、「セールスの人材がいないので商談に行けない」(久保氏)のが実態だという。

 津田氏が「ビジネス系の人材とエンジニアで、採用に違いや共通点はあるのか」と聞くと、久保氏は「共通の軸はあるが、事業開発などのセールスにはチャレンジングな部分も必要なので、ビジネス系にはそういった能力が求められる」と回答。そういった人材になかなかリーチできていない中で、「最近はエージェントの利用なども始めている」と久保氏は語った。