「投資家はキュア・アップの事業に共感して出資する」

 最後に、三井住友銀行 成長産業クラスター 第二グループ グループ長の上遠野宏氏が登壇し、今回のSIBにおける資金の流れの詳細を解説した。三井住友銀行は今回のプロジェクトで資金提供や事業監視の役割を担うほか、「リスクとリターンを切り分ける役目も果たしている」(同氏)。具体的にはSMBC信託銀行の信託機能を活用しているのが大きな特徴だ。

三井住友銀行 成長産業クラスター 第二グループ グループ長の上遠野宏氏

 今回のプロジェクトの場合では、豊中市とキュア・アップが業務委託契約を結んだあと、キュア・アップはSMBC信託銀行に金銭債権信託をする。ここで債権の持つリスクとリターンを切り分けて2つの受益権A・Bを作り、それぞれのリスクに合わせて資金提供者にAないしBの受益権を売却する。

 上遠野氏によれば「投資家はキュア・アップの事業に共感して出資する」というイメージであり、これも信託機能の一つとのこと。専門用語では「倒産隔離機能」と呼ぶそうだが、「“事業者”に投資するのではなく、“事業”に投資すると考えてほしい。ここが他のSIBとは異なる」と補足して説明を終えた。


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