データ集積への基礎づくり

 玉城氏によると、既に2500人の研究への組み入れは完了し、解析に入っている。玉城氏は1532人のデータを使った中間解析から、気道閉塞が認められたCOPD疑いの人は約3%、そこまでの状態ではないものの、1秒間の吐く息を示す「1秒率(%FEV1)」が80%未満の人は約18%であるというデータが出てきた。

 玉城氏は、「喫煙者が多いことが影響しており、異常のある人は40代が半数だった。ここからCOPDに移行する人が出てくると予想される。質問票と実際のスパイロメトリーによる検査の整合性を評価しているところで、まだ完全なデータ解析ではないが、正の相関があるとみられた」と説明する。

 データ活用やICT活用という観点から見ると、玉城氏らがこうして進める研究は、意味のあるデータを構築する基礎になるものになる。データを取ったとしても、そのデータに価値がなければ、無用の長物。こうした研究を通して、実際の病気のリスクにつながる意味のある情報をつかんでいくことが欠かせないといえる。

 これは他の分野であっても同様だろう。今、様々なデータが医療分野では生まれているが、それを使いこなせるかは、そのデータを取る企業などの腕の見せ所。利用への道筋を付けるスキームが求められているのかもしれない。

 玉城氏は、こうした研究を通して沖縄で健康問題への解決を進めていきたいという考えを強調した。「世界一の、夢と希望に満ちあふれた輝かしい沖縄の未来を作るのが夢。世界トップレベルの研究が進む米国サンフランシスコも南北50kmほど。沖縄で言えば、那覇市から名護市ほど。今後、企業誘致なども考えられる。沖縄はアジアの中心。医療から医療の未来を作りたい」。地固めをまずは進める。

 次回後編では、アプリを利用した、COPD患者の情報収集の仕組み作りについてさらに見ていく。

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