起業したその日から、アジア圏や世界を目指す

 シンガポールのスタートアップの特徴についてリー氏は、シンガポールの内需はそれほど大きくないため、「起業したその日から、アジア圏や世界を目指す」と語る。実際に統計を見てみると、全体の約40%ずつが世界あるいはアジア圏をメインターゲットとしている。シンガポールのみをターゲットとしているのは残り20%のみという状況だ。

 現在、シンガポールには100社を超える製薬会社や医療機器メーカーなどの多国籍企業が拠点を置いている。さらに、AppleやMicrosoft、Google、Facebook、Samsung ElectronicsなどのIT/テック系企業も80以上が入ってきている。このため、「狭い場所に多くの企業が集まっていることは大きなメリット。スタートアップや企業とのコラボレーションを生み出す場所としては最適だ」(リー氏)と語った。

 なお、シンガポールでは、新規に病院を作っても「そこで働く医師や看護師が足りない」(リー氏)という課題があるという。そのため、シンガポールの医療省は、その対策のために「3 Beyonds」という方針を掲げている。

 第1は、病院以外の広いコミュニティでの一貫したケアを目指す「Beyond Hospital to Community」。第2は、医療の質ではなく実際の効果を重視する「Beyond Quality to Value」。第3は、病気にかかる前の予防治療を意識した「Beyond Healthcare to Health」だという。

(タイトル部のImage:mikelaptev -stock.adobe.com)