「生まれ育った場所にもう一度行きたい」「子どもの結婚式に参加したい」――。

 がんなどで闘病中の患者の「やりたいこと」を実現し、支え生きるモチベーションを高める。そんなプロジェクトが2019年10月に始まった。医療情報サービス大手のエムスリーが開始する「CaNoW(カナウ)」だ。

 「限りある時間の中でやりたいことの実現を目的にして、人生を輝かせるためのお手伝いをする」。エムスリー CaNoW事業部部長の浅井有紀子氏はそう語る。

エムスリー CaNoW事業部の浅井氏(写真:Beyond Healthが撮影、以下同)

製薬企業や保険会社などからの協賛金で事業運営

 医療資格を持つエムスリーのプランナーが中心となり、患者の希望を最大限優先しながらプラニングを行う。プランの実現には、医療機関との連携により医療・介護従事者の見守り、緊急時の支援体制を構築し、安全性を確保する。

 願いの実現にかかわる患者や家族の費用は同社が負担する。製薬企業や保険会社などの企業から集める協賛金で事業運営する。今度3年間で1000人以上の患者を支援していく計画。願いを実現できた患者の様子は記事や動画にまとめ、エムスリーの医療者や患者向けサイトで配信していくという。

 プロジェクト発足にあたり、映画「最高の人生の見つけ方」(©2019「最高の人生の見つけ方」製作委員会)のタイアップ企画として、10人の患者の願いを無料でかなえる。

 「CaNoWには、願いが“かなう”という意味と、“can now”(今できる)という意味を込めた。病気が治らなければ“負け”ととらえることなく、やりたいことを実現して人生をまっとうできれば“勝ち”だと思えることが大切。残された時間が限られているからこそ、前向きに日々を過ごすための彩りを、CaNoW事業を通して多くの人に届けたい」(浅井氏)。