ヘルスケア領域で、イスラエルのスタートアップの話題が増えてきている。2019年1月にはイスラエル・日本両国間でヘルスケア分野における協力覚書を締結。イスラエルのスタートアップとの連携、医療機関での概念実証に関心を持つ日本企業向けの窓口をJETRO(日本貿易振興機構)に設置した。

 「イスラエルは、1人当たりのスタートアップ数や投資額が世界一」――。そう語るのは、2014年10月にイスラエルのテルアビブで創業したイノベーションプラットフォームカンパニーであるAniwo社 Head of Japan Branch 執行役員 事業開発担当の松山英嗣氏だ。同氏は、「TECH for LIFE SOLUTION DAY」(主催:INDEE Japan、共催:LINK-J、2019年9月に開催)に登壇。イスラエルのスタートアップ環境について語った。

Aniwo社 Head of Japan Branch 執行役員 事業開発担当の松山英嗣氏(写真:近藤 寿成)

スタートアップの資金調達総額は日本の2倍以上

 イスラエルは、四国と同程度の面積に882万人が暮らしている。そんな同国のスタートアップの資金調達総額は2018年に約7000億円。日本の約3000億円と比較して2倍以上の差があると松山氏は言う。「人口は日本の1/25。スタートアップにかなりの資金が集まっていることが分かる」(同氏)。

 なぜ、イスラエルはここまでスタートアップの文化が根ざしているのか。松山氏はそのポイントとして、(1)Human resources(人材)、(2)Investment(投資)、(3)Infrastructure(インフラ)、の3つを挙げる。

 (1)のHuman resources(人材)については、イスラエルでは高校卒業後に2~3年間の兵役義務があり、そこでエリート部隊に配属されることが目標の1つだという。エリート部隊に入った人材は「メンタルやリーダーシップ、さらにはソフト面のスキルも上達する」(松山氏)。

 それがベースとなり、退役後に主要5大学へと入学。ゆくゆくはスタートアップを起業することになる。つまり、「軍で培った能力をアカデミックで追求し、それをスタートアップにつなげる」(松山氏)という流れがある。さらにイスラエルならではの特徴として、「ユダヤ人ネットワークも大きな強みになっている」と同氏は補足する。