●東京都府中市

 東京都のほぼ中央に位置する人口約26万人の府中市が掲げるヘルスケアテーマは、介護予防の自主グループ化で市民同士が「つながる」介護予防だ。市には介護予防推進センターや地域包括支援センターのプログラムも存在するが、もっと幅広く介護予防に取り組んでもらうために市民が主体的に取り組む自主グループの活動が増えていくことを目指している。

東京都府中市市民協働推進部協働推進課の本田氏と福祉課高齢者支援課の石川氏
東京都府中市市民協働推進部協働推進課の本田氏と福祉課高齢者支援課の石川氏
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 もともと社会参加(人とのつながり)がある方が、身体活動が多いことが知られる。同市が高齢者の年齢別にグループ活動への参加意欲について調べたところ、65~74歳の前期高齢者はとても意欲的であることが判明。だが、新型コロナウイルス感染症の影響で、介護予防の取り組みは、教室の人数を減らして実施せざるを得なかったり、自宅でできる宿題に切り替えたり、そのほかYou TubeチャンネルやLINEを活用しての情報発信などに努めたりするものの、参加者の減少は避けられず、このままでは高齢者の健康が大幅に低下し、高齢者QOLの低下のみならず、社会保障費の増大が懸念される事態となっている。

 そんな状況を打破したいというのが府中市の願い。介護予防はリアル実施だと3密の回避、オンライン実施だとデジタル格差の問題が立ちはだかるものの、ベンチャー企業にはこれら二つの課題をクリアするソシューションを求めている。同市市民協働推進部協働推進課主任の本田奈織氏と福祉課高齢者支援課石川紹子氏が具体的に例として挙げたのは、リアルで実施する場合には、公園など3密にならない場所でできるトレーニングン指導や、3密にならないレクリエーションイベントの開催サポート。また、オンラインを活用する場合は、デジタル格差にも配慮した上での、自宅で友人と励まし合いながら運動ができる健康ポイントアプリや、友人同士でオンライン上のミニレッスンを開催できるサービスだ。

 府中市の市民主体の介護予防を目的とする通いの場への参加人数は2019年度時点で9451人。同市によると、この数字を2022年度までには500人増やして1万人にする目標だという。