●Magic Shields

 Magic Shieldsは、高齢者の転倒による骨折の防止を目的に、転んだ時だけ柔らかくなる床「ころやわ」を開発している。代表取締役の下村明司氏によれば、高齢者が大腿骨を骨折すると「4割がそのまま歩けなくなり、そのうちの半分は他の病気を併発して1年以内に亡くなる」とのこと。さらに、高齢者の転倒・骨折は2000年以降急増しており、「その数は国内で毎年100万人、医療費・介護費は毎年2兆円になる」という。

Magic Shieldsの下村明司氏

 このような現状の解決を目指す「ころやわ」は、歩いているときには硬くて転びにくく、転んだときには柔らかくなって衝撃を吸収するという機能を備えている。その仕組みには、素材では出せない機能・性能を構造で出す概念「メカニカルメタマテリアル」を応用している。具体的には、「大きな力がかかると形が大きく変わり、その剛性も大きく変わる」(下村氏)。試験結果では、フローリングと比較して「歩行安定性は同等」「衝撃吸収性は倍」となったそうだ。

 事業展開としては、センシングを活用した見守りサービスと「ころやわ」を組み合わせることで「人手の削減を目指す」(下村氏)。高齢者施設のみならず、新素材として「保育園」「体育館」「乗り物」などへの拡大も見込んでいる。

●Medii

 Mediiは、「E-コンサル」で地域医療の専門医偏在問題の解決を目指している。E-コンサルは、場所を問わずに各専門医からの知見共有を受けられる専門医シェアリング事業で、「従来は院内で行われている医師同士のコンサルを、院外にも広げる取り組み」(同社 代表取締役医師 山田裕揮氏)である。

Mediiの山田裕揮氏

 そもそも、専門性の高い領域の医師は地方に少ないほか、診療科別の医師数を見ても、内科や外科などに比べてリウマチ科や感染症内科などは極端に少ない。そのため、人口の少ない地方では「特定の専門医が一人もいないというケースも多い」(山田氏)という課題がある。E-コンサルは、地方の主治医と離れた場所にいる専門医をオンラインで結び、画像や動画などをセキュアに共有することでその課題を解決していく。

 E-コンサルの強みは、医師である山田氏のつながりを生かし、総勢300人を超える各領域の専門医が対応する点にある。これにより、例えば「医師が1人しかいない離島の病院であっても、都市部の大病院に近い環境で診てもらえる」(山田氏)というクラウドホスピタルのような医療を提供していくイメージだ。さらに、現場のニーズに応じて「人件費の削減や医師の働き方改革につながる」(山田氏)というメリットを挙げた。