●FOVE

 FOVEは、認知症の「早期発見」と「早期の予防対策」に着目し、自社の視線追跡型VRを利用した「認知機能セルフチェッカー」を開発している。認知機能セルフチェッカーは、VRヘッドマウントディスプレイを約3分間覗きながら、画面上に表示される10問の選択式問題を目線を使って解いていく。その結果や視線情報から、認知機能の評価項目を試算する。

FOVEの仁科陽一郎氏

 既存の認知症スクリーニングテストは「30~60分の時間が必要」「筆記が必要」「医師との問答が必要」だったことから、「身体的、精神的負担の少ない」(同社 ヘルスケア事業部 マネージャー 仁科陽一郎氏)ことがこのサービスの強みとなる。さらに、測定中の目線の動きや生体情報の取得も可能なことから、将来的には「判別・判断ができる医療機器にまで進化できる可能性がある」(仁科氏)と考える。

 このセルフチェッカーを利用し、まずは自分自身で認知機能の状態を知る。そして認知機能の維持・向上に有効とされる健康習慣を行い、継続的にモニタリングしていくことで「認知機能低下の小さな変化に気づける」(仁科氏)ようになる。これにより、認知症の「早期発見」と「早期の予防対策」が同時に達成していく。そのほか、将来的には視線追跡の技術を活用し、緑内障の視野検査によるビジネス展開も狙っていく。

●ファストドクター

 ファストドクターは、医師との分業・連携による24時間体制を構築し、かかりつけ医機能の強化に取り組んでいる。仕組みとしては、時間内はかかりつけ医が患者を往診し、時間外はファストドクターが往診代行するほか、紹介状で連携を取っていく。これにより、かかりつけ医だけでなく救急の負担も軽減していき、「より良い地域医療体制を目指す」(同社 代表取締役医師 菊池亮氏)。

ファストドクターの菊池亮氏

 現在、ファストドクターの救急往診チームは、365日体制で東京・神川・千葉・埼玉・大阪・兵庫をカバー。所属する800人の医師が「要請から最短30分で現場に到着する」(菊池氏)。利用依頼は電話やLINE、アプリから受け付け、患者からの相談を受けると、まずはトリアージによって状況を判定する。また、さまざまな救急疾患に対応できる設備を備えており、「一般の救急外来と同程度の医療を自宅で受けられる」(菊池氏)そうだ。そして、往診後は紹介状によって、地域のかかりつけ医にバトンタッチしていく。

 不急の救急搬送を往診で減らせれば、コストは大きく減少できる。ファストドクターとしては、今後も実績を増やしていくことで、受診行動の適正化やコストの抑制をはかっていく。また、夜間や休日の救急相談窓口として地域に貢献していくとともに、「テクノロジーとオペレーションの融合で医療業界のDXを推進する」(菊池氏)と語った。


(タイトル部のImage:寺田 拓真、コラージュはBeyond Health)