●愛知県大府市・東浦町(ウェルネスバレー推進協議会)

 愛知県大府市と東浦町が、あいち健康の森周辺で整備する健康長寿の一大拠点「ウェルネスバレー」。半径2km圏内に病院や介護施設、都市公園、研究・研修センターなどの施設が多数集まる全国有数の地区だ。名古屋駅から電車で30分ほどの場所に位置する。

 地区内の各施設を横軸で連携する機能を果たすのがウェルネスバレー推進協議会。様々な取り組みを手がける中、医療と工業、介護福祉の分野が連携して進める、いわゆる“医福工連携”のものづくり支援にも力を注いできた。

 2017年からはウェルネスバレー地区の医療・福祉関係機関にアイデア提案箱(アイデアボックス)を設置し、現場ニーズを収集。そのニーズをホームページ上で一覧にして公表し、ヘルスケア商品を製造する企業を募る「医福工連携マッチング」事業を2018年から展開している。

 ただ、現場のニーズに対して提案企業数が少ないのが困りごと。現在は介護現場の課題解決策を募集しており、地区内の介護施設からは2017年から2020年度にかけて毎年約20件のニーズが出されるも、「企業からは10アイデアぐらいしか寄せられない」と、大府市産業振興部ウェルネスバレー推進室の戸田稔彦氏は語る。

 そこでベンチャー企業などに提案してほしいのは、次の2点だ。

 1点目は、介護事業所の生産性向上につながるソリューション。大府市のホームページには約70の多種多様な課題が掲載されており、その詳細を確認してもらった上でのアイデア出しを希望する。「シーズベースでの相談であっても構わない」と戸田氏。

 2点目は、アイデアボックスの周知促進のソリューションだ。アイデアボックスをもっと活用してほしいが、企業の人たちにどのように知ってもらったらいいかわからずにいる。全国の熱意ある企業に広報・周知する方法、自治体職員が実施できる周知促進方法、各種セミナー勉強会などでの周知機会を求めている。

 提案してもらったら、協議会と面談、続けて介護施設との面談と続き、その後、介護施設での実証開始に至る流れ。その間、コーディネーターが伴走支援する。

 こうしたマッチングから実証開始までにかかる期間は最速3カ月。ここまでスピードアップできるのは、「これまで培ったノウハウがあるため」と戸田氏は胸を張る。

 全国有数の健康・長寿施設が集積するウェルネスバレー地区での連携・実証作業は、健康長寿推進企業としてのブランド化にも寄与すると言えそうだ。

大府市産業振興部ウェルネスバレー推進室の戸田稔彦氏
大府市産業振興部ウェルネスバレー推進室の戸田稔彦氏