●bitBiome

 早稲田大学発のスタートアップであるbitBiome。同社 取締役COOの藤岡直氏は「微生物は我々の生活に密接に関わっている。しかし地球上の微生物のうち、1%しかゲノムが解析されておらず、残る99%は大きなポテンシャルがある。この応用を強く進めていきたい」と語る。

bitBiome 取締役COOの藤岡 直氏

 例えば昨今注目を集める腸内細菌叢は、認知症、がん、糖尿病、肥満などの疾患に影響を与えていると言われるが、従来のような微生物集合体のメタゲノム解析では全体像を把握することには長けていても、どのピースが重要なのかを解析することはできない。そこで同社は細胞1個単位を網羅的に実行するシングルセルゲノム解析を開発。これを用いて、より高精度な微生物情報を取得する。

 同社のシングルセルゲノム解析ではマイクロ流体技術を活用し、複雑な微生物のコミュニティから一つひとつを分離してゲルカプセルに閉じ込める。言うなれば微生物のピンポイント解析である。この処理を超並列化することで膨大な微生物ゲノムを一気に増幅する。藤岡氏は「これまで課題だったコンタミネーション(実験汚染)やバイオ条件の検討などを解決し、培養の必要もなく、ハイスループットかつ低コストでゲノム解析可能なプラットフォーム」と説明した。

 このプラットフォームを「bit-MAP」と名付け、マイクロバイオーム(細菌叢と生物の関わり)の解析によって次世代への医療応用を目指す。「さまざまなアカデミアや企業とコラボレーションを図っていきたい。マイクロバイオームを用いた創薬、診断薬、パネル検査を非常に低侵襲で実現できるようになれば、医療応用で大きなインパクトが出せると考えている」(藤岡氏)とした。