禁煙治療のオンライン診療は現在、保険適用になっていない。その理由の1つは、「エビデンスが不足していること」。医療情報科学に特化した研究を行う研究機関であるCureApp Institute 共同代表の佐竹晃太氏はそう指摘する。

 そこで同研究所は、禁煙治療におけるオンライン診療群と対面診療群による無作為化比較試験を実施。試験結果を、「第23回 遠隔医療学会学術大会」(2019年10月に開催)で発表した。

「通院が面倒」で治療脱落

 禁煙治療は、全国約1万7000施設の禁煙外来で年間20万~30万人が受診しているとされる。保険診療による標準禁煙治療プログラムは、3カ月間(12週間)にわたり計5回の外来診療を行う。ところが、3カ月時点で治療を中断・脱落してしまう人は65%にも上るとのデータがある。その最大の理由は、「通院が面倒」(佐竹氏)だからだ。

CureApp Instituteの佐竹氏(写真:Beyond Healthが撮影、以下同)

 この通院負担を軽減する一手として期待されるのが、オンライン診療。現在、オンライン診療による禁煙治療は行われてはいるが、自由診療の扱いだ。治療費は3カ月で約6万5000円。これが保険適用になれば2万円弱になる。

 オンライン診療が保険適用されれば、禁煙希望者にとってのハードルが下がり、治療を中断することなく禁煙を成功できる可能性が上がると佐竹氏は期待を寄せる。「保険診療として2回目以降はオンライン診療で良いならば、患者の利便性が高くなり、医療期間にとっては診療の効率化にもつながる」(同氏)。