シーメンスヘルスケアは、国内における医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を強化するため、スタートアップ3社と提携した。2021年11月12日に開催した記者会見でその概要を説明。同社 代表取締役社長の森秀顕氏は、「日本が医療AI先進国になるチャンスを途絶えさせない」ことが今回の提携の狙いだとした。

シーメンスヘルスケア 代表取締役社長の森秀顕氏(写真:寺田 拓真、以下同)
シーメンスヘルスケア 代表取締役社長の森秀顕氏(写真:寺田 拓真、以下同)
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 提携先のスタートアップは、AIメディカルサービス、エルピクセル、Splink。今回の提携により、シーメンスヘルスケアの医療プラットフォーム「teamplay digital health platform(チームプレイ・デジタル・ヘルス・プラットフォーム)」上で提供されるアプリケーション群に、これら3社が提供するソリューションが加わることになる。既にteamplay digital health platformを導入している医療施設は、別途クラウドにつながる通信インフラを追加する必要がなく、新たなアプリケーションを簡便に利用することができるという。

右から、エルピクセル 代表取締役の島原佑基氏、AIメディカルサービス 代表取締役CEOの多田智裕氏、シーメンスヘルスケアの森氏、Splink 代表取締役社長の青山裕紀氏
右から、エルピクセル 代表取締役の島原佑基氏、AIメディカルサービス 代表取締役CEOの多田智裕氏、シーメンスヘルスケアの森氏、Splink 代表取締役社長の青山裕紀氏
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 具体的には次の3つである。

・内視鏡画像解析ソフトウエア(AIメディカルサービス製)
ディープラーニングを用いた内視鏡AI。第1弾製品として、2021年8月に胃がん鑑別AIを医療機器製造販売承認申請している。承認されれば、AIを活用した胃領域の内視鏡診断支援システムとして世界初の事例となるとしている。

・医用画像解析ソフトウエア「EIRL Brain Aneurysm」(エルピクセル製)
脳MRA画像より2mm以上の嚢(のう)状動脈瘤候補点を検出しマークを表示することで、医師の読影をサポートするAIソフトウエア。医師単独で読影した場合と比べ、本製品を併用し読影することで約10%の感度向上が認められ、2019年10月に深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器として国内初の薬事承認を取得、販売開始した。

・脳ドック用AIプログラム「Brain Life Imaging」(Splink製)
頭部MRI画像をAIで解析し、脳の中でも記憶や学習にかかわりの深い「海馬」領域の体積を測定・可視化、受診者目線のわかりやすいレポートを届けることで気づきを促す、脳ドック用AIプログラム。AIによる高精度な脳解析と脳の健康維持や将来の認知症予防のためのアドバイスを提供する。

 なお、teamplay digital health platform は、医療DXの発展を視野に入れ、シーメンスヘルスケアが開発した多機能デジタルヘルスプラットフォーム。オープンでセキュアなクラウド環境を基盤にした仕組みで、医療機関、医療従事者、患者、自治体、メーカーやそのパートナーを含むすべてのステークホルダーがつながり、連携し、有用なアプリケーションやサービスの提供・活用を促進することを目的としている。

 現在、国内で2100以上の施設に導入。11の自社製アプリケーションに加え、これまでに提携した3つの他社製アプリを提供している。ここに今回、3つの新たなアプリケーションが加わることになる。

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(タイトル部のImage:寺田 拓真)