【藤枝市×IoTBASE】認知症者見守り事業

 第1の事例は、静岡県藤枝市とIoTBASEの連携だ。

 藤枝市では今、「ICTで人の流れを呼び込む町づくりに取り組んでいる」(藤枝市 企画創生部ICT推進室の齋藤栄一郎氏)。その一環として、LPWAと呼ばれる低消費電力の遠距離通信環境を全国に先駆けて整備した。そこで、この通信環境を生かし、地域課題解決に向けた実証実験を公募。その一つとして取り組むことになったのが、認知症者の見守り事業だ。

 活用したのは、IoTBASEが提供するIoTプラットフォームである「SmartMap」。GPS端末によって、見守る高齢者の位置情報をマップ上に展開できる。これを、徘徊などによる行方不明者の早期発見に生かす実証実験を実施した。

藤枝市 企画創生部ICT推進室の齋藤 栄一郎氏

 ただし、認知症高齢者は携帯型のGPS端末を常に携行することが難しい。そこで、シューズ型やベルト型、キーホルダー型など様々なセンサー内蔵端末を用意。利用者の生活様式に合わせて選べるようにした。

 こうした高齢者の見守りサービスでは、自治体が有効に継続運用できるかが大きな課題となる。その点については、「民生委員をはじめとする地域の見守り体制を壊すことなく、そこにどう取り入れられるかという視点で取り組んだ」(齋藤氏)とする。

IoTBASE 代表取締役の澤和 寛昌氏

 IoTBASEは、SmartMapによって収集した認知症高齢者の位置情報をまとめ、色や濃淡で表現できるヒートマップを作製した。「この情報を、許される範囲でケアマネジャーと共有し、見守り体制を構築した」(同社 代表取締役の澤和寛昌氏)。利用したプラットフォームは複数センサーを一括して管理できるため、今後は「独居高齢者の宅内と屋外での見守りサービスなど、発展的な活用が期待できる」(同氏)とした。