ヘルスケアスタートアップにとって、連携先の一つとなり得るのが自治体だ。自社のソリューションを自治体を介して社会実装するケースは今後、増えていくだろう。実際、自治体としては、地域の課題解決や住民サービス向上のためにスタートアップをはじめとする民間企業の力を借りようとする機運が高まりつつある。

 「クロスヘルスEXPO 2019」(2019年10月9~11日に開催)では、ヘルスケアスタートアップと自治体の連携気運を高め、マッチングを支援するためのセミナーが実施された(関連記事)。経済産業省 関東経済産業局が企画したセミナーだ。登壇したのは、ヘルスケアスタートアップと自治体が連携して課題解決に取り組む2自治体・2社と、自治体との連携ができうるソリューションを持つヘルスケアスタートアップ5社。本記事では、後者の5社のピッチを登壇順に紹介していこう。

●インフィック

 インフィックは、IoTセンサーを用いた見守りシステム「LASHIC(ラシク)」を提供している。室内空間センサー、睡眠センサー、ナースコールの3種を介護施設や高齢者宅に設置し、日常生活や行動を見える化するソリューションだ。介護施設向けの「LASHIC-care」と、在宅向けの「LASHIC home」の2タイプがある。

インフィック 代表取締役社長の増田 正寿氏(写真:加藤 康、以下同)

 同社 代表取締役社長の増田正寿氏は、「利用者(がデバイスのボタンを押すなど)のアクションが不要な検知手法にこだわり、センサーを駆使して危険を察知し、迅速に対応できる仕組みを実現している」と語る。

 LASHIC-careは、施設介護スタッフの負担軽減にも寄与する。「(導入施設では)夜間の巡回が基本的に不要になり、夜勤者の生産性向上に成功している」(増田氏)。2019年内には、AI(人工知能)の活用により、尿路感染・誤嚥性肺炎・転倒骨折について、「発生リスクを30分程度前に通知するサービス」(同氏)を提供する計画だとした。

 LASHIC-homeでは今後、食事宅配事業者との協業を視野に入れる。これにより、在宅で安心して暮らせる環境を提供していくという。