「囲い込みを超えたオープンイノベーションの機会を」

 メディアセミナーでは、i2.JPに参加する企業や団体も登壇した。

 その1社であるWelbyは、例えば、肺がんの領域で「Tダイアリー」という症状記録や緊急連絡、情報提供を行えるサービスを運営している。同社 社長の比木武氏は、「PHRサービスは、医師が患者に紹介し、患者が利用して、医療機関とデータを共有し、医師による療養指導を効率的、効果的に行う。そうしたエコシステムにおいてアストラゼネカにカタリスト(触媒)になっていただくとありがたい」と話す。

Welby社長の比木武氏

 連携を深めていく上では、相互理解も重要になる。木幡計器製作所社長の木幡巌氏は、「大企業とやりとりする中ではノウハウも飲み込まれるのではと不安感もある。初期の段階で払拭するのが重要だと考えている。連携は密に行うのがいいのではないか」と述べた。大阪産業局 イノベーション推進部グローバル推進担当の石飛恵美氏は、「組織だけではなく、人が重要だと感じている。適切な人物につなぐのが課題」と言う。

 さらにゲストとして、慶応義塾大学医学部教授の宮田裕章氏が登壇した。同氏は、「多様性の中でこそイノベーションやインクルージョン(一体性)が生まれる。日本の企業が日本の国民だけにサービスを展開する時代ではなくなっている。海外展開を考えたときにグローバルなネットワークも必要で、一企業で完結しない。また公共データを活用できてこそバリューも伸ばせる。囲い込みを超えたオープンイノベーションの機会を広げるのが大切」と指摘した。

慶應義塾大学医学部教授の宮田裕章氏

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