将来的には「個別の識別が可能になる段階まで」

 開発した技術を用いて13種類のがんの患者と健常者の血清中のマイクロRNA濃度を調べたところ、「健常者に対して、すべてのがん患者でマイクロRNA濃度が高いことが分かった」(橋本氏)。さらに、検査性能を示す指標「AUC」(1が最大)で解析した結果も0.99であったことから、「13種類のがん患者と健常者を高精度に識別できることを確認できた」(同氏)と説明する。

13種類のがん患者と健常者の血液中マイクロRNAの測定結果(出所:東芝)

 サンプル評価数は少ないものの、ステージ0を含む患者と健常者を比較した場合でもマイクロRNAの濃度が大きく異なっていた。将来的には「ステージ0の検出によって、がんの早期発見も可能になる」(橋本氏)と補足した。

 前述のように現時点では13種類のがんを個別に識別できるわけではない。これは、特定のがん(あるいは臓器)と特定のマイクロRNAの相関関係が現時点では学術的にまだ示されていないためだとし、将来的には「個別の識別が可能になる段階まで持っていきたい」(橋本氏)とした。


(タイトル部のImage:近藤 寿成)