米国の有名企業がパフォーマンス向上のために取り入れているとして、ビジネスパーソンの注目を集める「マインドフルネス」。1979年にジョン・カバットジン博士が、“禅”から宗教要素をそぎ落とし西洋科学と融合させることで開発し、マサチューセッツ大学医学部でうつや心身症、不安障害の人を対象に始めた「マインドフルネス(MBSR、マインドフルネスストレス低減法)」が発端だ。

 “瞑想”の一種とも説明されるが、より具体的に「ただ目の前のことだけに集中する」テクニックで、脳疲労やストレスの低下、集中力・創造力・幸福感などの向上に役立つとされる。NBAなどのプロスポーツチームや有名企業が積極的に取り組むなど、2014年頃には米国で一大トレンドになった。日本でも2013年に日本マインドフルネス学会が創立されるなど、以前から注目を集めている。

 特にコロナ禍ではより需要が増したとも言われ、今や身近になりつつあるマインドフルネスだが、その普及に大きく貢献しているのはスマートフォン(スマホ)アプリだろう。音声ガイドや映像などのコンテンツにより、初心者でも手軽に、いつでもどこでもマインドフルネスを学び実践することができる。

 こうしたスマホアプリの一つで、2021年11月に渋谷でのキャンペーンを展開するなど、日本市場への本格参入を進めているのが「Meditopia(メディトピア)」だ。マインドフルネスのスマホアプリは米国企業が中心である中、同社はトルコに本社を構えるスタートアップであり、認知行動療法やマインドフルネスなどのテクニックを用いた総合メンタルプラットフォームアプリ「Meditopia」(企業名と同名)を提供する。

マインドフルネスアプリ「Meditopia」3000以上のガイダンス音声付きメディテーションプログラムと、メディテーション中や作業中のBGMなどに向けた音楽(楽曲)といったコンテンツ、習慣化に向けたノート機能などを備える(写真:Meditopia)
マインドフルネスアプリ「Meditopia」3000以上のガイダンス音声付きメディテーションプログラムと、メディテーション中や作業中のBGMなどに向けた音楽(楽曲)といったコンテンツ、習慣化に向けたノート機能などを備える(写真:Meditopia)
[画像のクリックで別ページへ]

 同アプリでは、非英語圏に向けたローカライゼーションに注力する点を大きな特徴とする。同社は、米国発のマインドフルネスを体験しその効果を感じた創設者が「自分の心と向き合うには、母国語で実践できる環境作りが不可欠」とのアイデアを元に起業したもので、現在、12カ国語でアプリを提供する。同社では単なる翻訳に留まらず、ローカライゼーションのために各国のヨガやマインドフルネス、心理学などの専門家60人以上と契約、それぞれの国に対して専門家チームを構成し各国の市場に合うようにコンテンツを再編集しているとする。

 同社によれば、同アプリのユーザーは100カ国以上、3000万人以上に及ぶという。ユーザーのうち、15%は日本語を利用する日本人ユーザーだったことから今回、日本への本格参入に踏み切った。アプリの利用状況から、日本市場のニーズは高いと判断したという。例えば、1人当たりのアプリの平均利用時間はグローバル(ユーザー全体)では11分であるのに対して、日本は17分だった。

 また、プログラムの終了率はグローバルの76%に対して日本は84%で、熱心に取り組む様子が伺えたとする。例年、冬はアプリ利用数が増加するが、コロナ禍の日本では2020年1月~3月にかけて「ストレス」「不安な気持ち」をテーマとするプログラムの利用がぐっと伸び、2020年末まで高い利用率を維持していたことも、日本市場への本格参入を後押しした。