「スタートアップと考えるデジタルヘルス事業アイデアソン」。こう題したワークショップが、2019年11月28日に東京都内で開催された。三井不動産が運営するシェアオフィスであるワークスタイリングが主催したイベントだ(協力はBeyond Health)。

 テーマは「職場のメンタルヘルス」。同テーマに関連する事業を手掛けるスタートアップ3社がゲストとして参加。必ずしもヘルスケア関係ではない大手企業の新規事業担当者などの一般参加者と共に現場の課題感をシェアし、事業アイデアを考案するプログラムが展開された。異業種の新規事業担当者同士の横のつながりを作るのも目的の一つだ。

司会を担当したワークスタイリング ビジネススタイリストの西井香織氏(写真:宮川 泰明、以下同)

まずは3社のスタートアップが事業紹介

 まずは、ゲストとして参加したスタートアップ3社が、それぞれが手掛ける事業について紹介した。参加したのは、エーテンラボ 代表取締役 CEOの長坂剛氏、emol 代表取締役の千頭沙織氏、キママニ 代表の村上遥氏だ。

 エーテンラボは三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を開発、運営している。現在、日本人の3人に1人が生活習慣病の患者かその予備群と言われる。生活習慣病は「治療を継続しにくい」という課題があるが、みんチャレはその継続率を高めるためのサービスだ(関連記事)

エーテンラボ 代表取締役 CEOの長坂剛氏

 仕組みとしては、匿名の5人がスマホアプリ内で1組のチーム(パーティ)を作り、自分の活動を報告し合うことでモチベーションを高める。みんチャレを利用すると、1人で生活改善を行うよりも「習慣化成功率が8倍になる」と同社の長坂氏は語る。

 emolはデータ化したユーザーの“感情”をベースとする、メンタルヘルスケアのサービスを提供している。メンタルの状態が悪いと仕事のパフォーマンスにも影響することから、組織の生産性の向上を目指すメンタル向上プログラムアプリ「emol work」のβ版を2019年12月2日にリリースした。

Emol 代表取締役の千頭沙織氏

 同社の千頭氏によれば、企業は従業員のメンタルについて調査をしても「問題を解決する方法が分からない」、産業医に相談する仕組みを作っても「利用率が低い」といった課題があるという。そこで、一人ひとりに最適化したメンタルトレーニングをアプリで提供することで、メンタル状態が悪くなりがちな人だけでなく、組織のメンバー全員のエンプロイー・ウェルビーイングを実現することを狙う。

 キママニは、メンタルの改善をサポートするアプリ「KibunLog」の開発、運営を進めている。認知行動療法とエクスプレッシブ・ライティング(感情を紙に書きだす手法)の理論をベースにしたサービスで、自分の感情の起伏についての記録と分析ができる(関連記事)

キママニ 代表の村上遥氏

 継続的に記録することで、ユーザーが「自分を客観視し、気分の揺らぎへの対策を取れるようになる」と同社の村上氏は語る。この仕組みをアプリに取り入れるためのSDKも提供している。