あの「瞑想アプリ」のユニコーン企業であるCalm.com社が、日本に上陸した。同社は、日本人ユーザーのための日本語オリジナルコンテンツの提供を、2020年12月9日に開始。本格的な日本市場への参入に当たり、オンラインで実施された発表会では、同社 CEOやプロダクト責任者などからアプリの詳細や参入意図などが説明された。

Calmの利用画面イメージ。左からマイページ、瞑想、睡眠、音楽(出所:Calm社)

 Calm社は、共同創設者で共同CEOでもあるマイケル・アクトン・スミス氏とアレックス・テュー氏が2012年に創設。2019年には、メンタルヘルス業界で世界初の評価額10億米ドル企業となった(関連記事:注目の的「瞑想アプリ」、かつての「ウエアラブル」と同じ道をたどるか)。

 同社は、「世界をより健康に、より幸せにすること」をミッションに掲げる。スミス氏は、我々が日々感じているストレスを「21世紀の現代病」と表現し、ストレスが「日々の生活や心身の健康に影響を与えている」と指摘する。

Calm.com社 共同創設者&共同CEOのマイケル・アクトン・スミス氏(写真:オンライン会見のキャプチャー、以下同)

 世界中でメンタルヘルスの重要性が語られる一方で、例えば米国では従業員の83%が職場のストレスに悩まされており、米国経済に毎年3000億米ドル以上の損失を生んでいると語る。日本でも似たような統計結果があり、従業員の62.6%が仕事のストレスに悩んでおり、企業の59.2%が全従業員のメンタルヘルス対策を取り入れ始めたそうだ。

 同社はメンタルフィットネスを新しい健康法と捉え、瞑想や睡眠などによって心をケアしていく。テュー氏は、ここでの重要なポイントとして「科学的根拠」を挙げる。同社のアプリは、実証済みの研究に基づいており、「瞑想はさまざまな面において効果的で有益であることが示されている」ほか、「睡眠やその他のコンテンツについても多くの研究が行われている」と説明する。これにより、人々の瞑想・不安の緩和・睡眠改善などをサポートしていく考えだ。

Calm.com社 共同創設者&共同CEOのアレックス・テュー氏

 今回の日本でのローンチにあたって、スミス氏は「2020年が世界的に不安感のある厳しい年だったことから、世界中の人々にとって価値のあるCalmを日本でも提供することにした」と説明する。テュー氏は「以前からあった日本展開を望む声にお応えした」と答えるとともに、日本のデジタルフィットネス市場が2024年までに大きく伸びるという調査予測から「ビジネス的なタイミングも合っていた」と補足した。

主要コンテンツの1つが「瞑想」

 Calmアプリは、独自のオーディオコンテンツなどによって不安・ストレス・不眠などの心の健康問題に対処するメンタルヘルスを強化するもの。主要コンテンツの1つとなるのが「瞑想」である。

 同社 国際展開担当 取締役のメイヴィス・ブレフォ氏によれば、「Calmの瞑想の教えは宗教的なものではない」とし、ストレスや集中力、睡眠の管理などをテーマとした「さまざまなガイド付き瞑想セッションを取り揃えている」と紹介する。また、コンテンツとしては7日間プログラムの「連続シリーズ」や毎日新しい瞑想を配信する「Daily Calm」などを用意し、初心者と上級者の両方に向けた新しいコンセプトを提案する。

Calm.com社 国際展開担当で取締役のメイヴィス・ブレフォ氏

 さらに「睡眠」も、主要コンテンツの1つとなる。これまでの利用データの蓄積から「瞑想セッションが入眠に利用されている」ことに着目し、話を聞くことで心地よい眠りへと誘う「スリープストーリー」を提供する。スリープストーリーでは、著名人を含む心安らぐ声の語り手が、さまざまなお話を読み聞かせてくれる。また、睡眠をサポートする自然の音を提供する「サウンドスケープ(BGM)」なども用意する。

 そのほか、集中力・睡眠・リラクゼーションのために特別に集約された楽曲を楽しめる「音楽」など、豊富なコンテンツや健康管理をサポートする機能を備える。ブレフォ氏は、Calmを「あなたの心のエクササイズをサポートする道具箱」と表現し、「Calmはいつもあなたのそばで、メンタルフィットネスの旅をサポートする」とした。

パンデミック下でのマインドフルネスの必要性

 そのほか、Calmのマインドフルネス・インストラクターとしてプロジェクトに参加している木蔵シャフェ君子氏が、マインドフルネスについて解説した。日本マインドフルネス学会の定義によれば、マインドフルネスとは「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」となっている。これを木蔵氏は「今ここに起こっていることを、最もクリアで創造的な情報処理をするための脳のトレーニング」と説明した。

マインドフルネス・インストラクターの木蔵シャフェ君子氏

 そしてこれを習慣化し、繰り返し実践することで「認識力・集中力・心身の健康増進」「ストレス管理」「自分自身や他社との健全なつながりを回復」などに役立つことが確認されているという。木蔵氏は、昨今のパンデミックにあってマインドフルネスの必要性を訴え、「Calmのアプリを繰り返し使うことで、現状の改善が期待される」と語った。

(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)