前身の研究講座では既に製品開発の実績も

 実は、大阪大学と島津製作所による共同研究は2008年から始動しており、2015年4月~2019年7月にかけては「大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座」を運営してきた。共同研究講座では、メタボロミクスの分析技術の確立やアプリケーション開発を行っており、「疾病の診断や機能性食品の機能性成分の分析などについて成果が出始めていた」(島津製作所 代表取締役社長の上田輝久氏)という。

 2019年3月にはメタボロミクスのデータ解析用ソフトウエア「マルチオミクス解析パッケージ」を発売するなど、製品開発の実績がある。マルチオミクス解析パッケージは質量分析計で得られる膨大なデータを自動で処理できるもので、アミノ酸や有機酸、核酸系の代謝物の解析に対応しており、食品や血液の分析に活用できるという。

大阪大学吹田キャンパス内にある「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」の様子。島津製作所のガスクロマトグラフ質量分析計や液体クロマトグラフ質量分析計が設置されている
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大阪大学吹田キャンパス内にある「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」の様子。島津製作所のガスクロマトグラフ質量分析計や液体クロマトグラフ質量分析計が設置されている
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大阪大学吹田キャンパス内にある「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」の様子。島津製作所のガスクロマトグラフ質量分析計や液体クロマトグラフ質量分析計が設置されている

 今回、共同研究講座から協働研究所へと組織が発展したことで、大阪大学 大学院工学研究科と島津製作所だけでなく、他の研究科や企業、外部の研究機関の参画が可能になった。これにより、「人の健康に役立つ成果を社会実装していきたい」と上田氏は語った。

(タイトル部のImage:伊藤 瑳恵)