これがデモデイの舞台に登場した15チーム

 500 KOBE ACCELERATORの最大の特徴は、6週間にも及ぶプログラムにある。選出されたスタートアップは、休止期間を除く4週間を神戸市で過ごし、フル参加することが基本。500 Startupsのメンターが神戸を訪れ、セールス、グロースマーケティング、資金調達戦略、ピッチトレーニングをしっかりと叩き込まれる。投資家や企業、自治体の前でプレゼンを行うデモデイは、その集大成である。

 2019年の応募総数は174チーム。日本が58チーム、海外が116チームとの内訳からわかるように、国際色豊かなプログラムであることもポイントだ。オセアニアを含むアジアが中心だが、とりわけインドは37チームと海外の単独国では圧倒的に応募数が多い。その中から日本7チーム、海外8チーム、あわせて15チームが選出された。海外チームの顔ぶれはインド、マレーシア、米国、台湾、シンガポールなど多岐にわたる。うち、ヘルステックは過半数の8社となった。

デモデイに出場した15チームの概要(図:神戸市の発表をもとに著者が作成)

 過去3回のデモデイは東京で実施してきたが、「神戸から世界へ」をより鮮明にするため、今回は初めて神戸で開催した。冒頭、500 Starups マネージングディレクターのベディ・ヤン氏が「今年は神戸市のリーダーシップのもと、医療関連のスタートアップを重点的に選んだ。将来的に、神戸市が医療ハブとなるようにとの願いを込めている」と挨拶。海外8カ国からの参加、37.5%が女性起業家もしくは共同創業者であることに触れ、「多様性がイノベーションを加速する。優秀な起業家はシリコンバレーだけではなく世界中にいる。神戸市は世界中からスタートアップを受け入れ、大きな変革を遂げることを支えてくれた」(ヤン氏)と称賛した。

500 Starups マネージングディレクターのベディ・ヤン氏(写真:小口 正貴、以下同)

 進行役は500 Starupsのマーカス・サンドバーグ氏が務めた。サンドバーグ氏は6週間のプログラムを乗り越えたスタートアップをねぎらいながら、「メンターはシリコンバレーを軸に、英国、スウェーデン、ドイツ、ヨルダンなど各国からやってきた。共通点はメンター自身が起業経験を持っていること。だからこそ起業家の困難を理解できる」と語った。

進行役の500 Starupsマーカス・サンドバーグ氏

 久元喜造神戸市長は、英語でスピーチを行った。「世界各国から参加してくれたのは神戸市の取り組みが認知され、評価が高まっている証だ。ぜひ神戸から世界に羽ばたいてもらいたい」(久元氏)。また、今回目指したのは神戸医療産業都市との連携であることを改めて強調。参加チームの中から、HERBIO(熱中症および低体温症の予防を目的としたモニタリング)、シャンティ(MR[複合現実]技術を活用したリハビリシステム)の実証を神戸医療産業都市と連携して行う予定であることを市のリリースで発表した。

全編を英語でスピーチした久元喜造神戸市長