「人間」を拡張する技術――。こう題したセッションが「HIMSS & Health 2.0 Japan 2019」(2019年12月9~10日に東京都内で開催)で行われた。冒頭、「視力や聴力を強化する」「触感をデータ化する」など、人間の能力を拡張するソリューションを手掛ける企業がその概要をそれぞれ紹介。その上で、「将来何ができるようになるのか」についてのパネルディスカッションを展開した(関連記事:生体と機械が融合する「Beyond body」の時代へ)。

 モデレーターを務めたのは、脳神経科学をベースに研究機関との共同研究やサービス開発支援などを行うNeumo 代表取締役の若林龍成氏。パネリストに国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 主任研究員の小川剛史氏を迎え、自社ソリューションについては次の3社が紹介した。すなわち、H2L 代表取締役 岩崎健一郎氏、ユニバーサル・サウンドデザイン 代表取締役の中石真一路氏、QDレーザ 代表取締役社長の菅原充氏である。

モデレーターを務めたNeumo 代表取締役の若林龍成氏(左)とパネリストの国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 主任研究員の小川剛史氏(写真:宮川 泰明、以下同)

感覚の伝達「ボディシェアリング」を目指す

 まず、H2Lの岩崎氏は触感型ゲームコントローラー「アンリミテッドハンド」を紹介した。腕に巻いたバンドに筋変位センサーを内蔵しており、手や指を動かすとそれをコントローラーの入力に変換できる。

 デモでは、アンリミテッドハンドを装着した岩崎氏が手を動かすと、画面に映ったCGの手が合わせて動く様子を示した。入力だけでなく出力も可能で、コンピューター側から信号を送ることで岩崎氏の指を意思と関係なく動かせることも示した。「この技術を使って、見る、聞く、の次に来る感覚の伝達『ボディシェアリング』を目指している」(岩崎氏)。

H2L 代表取締役の岩崎健一郎氏。ボタンやレバー操作ではなく、手の動きを入力に変換できる「アンリミテッドハンド」を紹介した