大阪市立大学医学部疲労医学講座発のスタートアップであるエコナビスタ。睡眠解析技術をベースとした高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」が好調な展開を見せており、2021年3月には社会福祉法人大手の聖隷福祉事業団にも採用が決まった。新たな展開として、同年2月には東京ガスと共に在宅介護向けへの事業にも乗り出したばかり。同社を訪問し、代表取締役社長の渡邉君人氏に話を聞いた。

今回訪問したのは、東京・紀尾井町にあるオフィス。窓から見える新緑が鮮やかだった(写真:川島 彩水、以下同)

起業のきっかけ

介護現場の人手不足を解消するツールとして着想

 エコナビスタは、大阪市立大学医学部疲労医学講座から始まったスタートアップ。同講座特任教授の梶本修身先生が、医療とテクノロジーをかけ合わせて社会課題を解決したいとの思いから創業した。

代表取締役社長の渡邉君人氏

 梶本先生は大阪大学医学部発バイオベンチャーの総医研ホールディングスの創業者でもあり、私は2000年代に脳機能検査プログラム「ATMT」を総医研と共同開発した。その技術をもとにした脳トレゲーム「アタマスキャン」は30万本以上のヒットを記録している。そうした背景があったため、一緒に事業を支えてほしいとオファーを受けてジョインした。

 主力の「ライフリズムナビ+Dr.」は2016年にサービスを開始した。専門医である梶本先生が監修した、睡眠解析技術をベースとするクラウド型の見守りシステムだ。開発のきっかけは、梶本先生が仕事を抱えながらの母親の在宅介護見守りに限界を感じていたこと。当時は電気ポットのON/OFFによる安否確認などがあったものの、それだけでは厳しいと。そこでIoTを活用しながら見守りをカバーし、医療・介護現場の人手不足を解消するツールとして着想した。

エコナビスタの概要(表:同社への聞き取りを基にBeyond Healthが作成)

 私自身、大学院時代にITベンチャーを起業して長く代表を務めてきたので、経営のノウハウがベースにあったことも幸いした。何よりITの力を活用して新しい分野に挑戦してみたかったし、社会課題解決に直結する仕事に携われるチャンスにもやりがいを感じた。医学と工学とのかけ算で良質なプロダクトを生み出したいと考えている。