自社の強み

武器は研究開発力と人材のつながり

 強みは研究開発力、そして人材のコネクションだ。AIのHippodeep(ヒポディープ)は、もともと研究室に所属している研究者が開発したもの。仏のMRI研究センターである「NeuroSpin(ニューロスピン)」の出身者で、得意とする機械学習を発展させ、意見交換しながら完成させた。先に述べたように、豊富な脳画像データベースを蓄積していたことも大きな要因だ。

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 コネクションに関しては、医師などの医療従事者、ソフトウエアエンジニア、医療機器業界での営業や薬事の長年のスペシャリスト、外資系メーカーの元幹部、弁護士、会計士、デザイナーなど、これまでのつながりで多岐にわたる人脈があり、すべての人たちが生涯健康脳に対する事業への共感から集まっている。この強固な結びつきはCogSmartの優位性といえる。

 現在は役員が4人、従業員が7人が中心となり、パートナー・専門家集団ががっちりスクラムを組む体制となっている。私とともに代表取締役を務める中村匠汰はまだ若い医師だが、非常に広い視野を持っていて、IoTなどの最先端技術やビジネスにも興味がある。私自身、子どもの頃から知的好奇心が旺盛で、理学部から医学部に進んだ変わり種。今でも常に俯瞰的に物事を見るように心がけている。その姿勢を原動力として、企業の成長フェーズにあわせて組織体制を柔軟に変えていくつもりだ。

 今は目一杯アクセルを踏んで大きな岩を動かしていかなくてはならないが、時期が来れば社員の役割もどんどん変わるだろうし、そうあるべきだと思う。ビジネスをスケールさせる以上、将来的には資金調達も考えている。鳥の目と蟻の目を両方備えていなければ、研究と事業の両立は難しい。その意識は徹底している。