自社の強み

最大の強みは産官学の連携

 最大の強みは産官学の連携を意識していること。まず、しっかりとプロダクトを生み出すスタートアップという意味で“産”をクリアしている。“官”に関しては、先ほども話したように厚労省や自治体に対する現場目線での情報提供を行うなどして、密接につながっている。“学”に関しては東大大学院の公衆衛生の連携があり、私自身が病児保育の論文を毎年発表している。これらの関係性があるからこそ、自治体への紹介などでも力を貸してもらえる。

 「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020」でのグランプリ獲得も追い風となった。あの場に参加していた企業から連絡をもらい、自治体とつながるケースも出てきた。ある市では非常に積極的な反応を示してくれて、恐らく大きなインパクトを残せそうだ。

 それから、非常にユニークなのは従業員がゼロということ。代表である私と庶務を担当する私の妻がフルコミットしているが、エンジニア、デザイナーは別の本業を持った人たちにプロジェクト単位で関わってもらう形だ。

 なぜこの形なのか。病児保育は自治体が大口の顧客であり、年単位でしか契約を取ることができない。なのでBtoCモデルのように急激な成長を見越した株式資本での資金調達が難しい側面がある。それもあってこの戦略を採用している。今のところ、資金はクラウドファンディングや銀行融資が中心だが、自分が背負える部分はとことんまで背負う覚悟でいる。