自社の強み

一人ひとりがキャプテンであるべきだ

 強みは何と言ってもアスリートのデータ。これがコアコンピタンスだ。

 優秀な社員も強みだ。今は専業で6人、業務委託を含めると20人ほどが関わっている。基本は週一でここ(東京・八重洲のコワーキングスペース)に集まってコミュニケーションを取り、固有のオフィスは持っていない。だからといって仕事が滞ることはない。

 こういう柔軟な組織では信頼関係がすべて。大切なのはAuBのビジョンを共有し、カルチャーにフィットしているかどうかということ。その考えがない限りは同じ土俵には上がれない。人は入社してからいくらでも成長できる。とくにAuBは皆で学んでいくスタイルを良しとしている。

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 私は基本的にキャプテンは必要ないと思っている。なぜなら、一人ひとりがキャプテンであるべきだからだ。それこそ、社員には今の社会に求められているリーダーシップ、オーナーシップを持ってほしい。この気持ちを全員に持ってもらわなくてはならないし、強いチームにはその気持ちがある。

 かつて日本代表のイビチャ・オシム監督は、私を「水を運ぶ人」と形容してくれた。AuBもその立ち位置で運営していくのが自分のスタイルだと考えている。とはいえスタートアップなので、何でもやらなくてはならない時期があったのも事実。この1年ほどでやっと組織を整備できるようになってきた。これは自分たちがやりたいことが固まってきたからこそ可能になったのであって、それまではトータルフットボール(ポジションに囚われないサッカー戦術)のような感じだった。

 今は自分たちのポジションはどこかを理解した上で、オーバーラップするときはするし、フォワードが下がってディフェンスをすることもある。それは必要に応じて変化している。そのためAuBでは、誰でも見たい情報にアクセスできる。逆に言えばこちらから与えることはなく、自分から取りに来なくてはならない。

 いずれにしろ、私たちが目指しているのはコンディショニングであり、モノを売ることではない。その哲学を社員全員が理解しているのは大きな強み。だからこそコロナ禍のようなピンチも乗り越えられた。この先にはまたチャンスが待っているかもしれない。