1月23日に行われた、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020」の最終審査では、病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」を展開するCI Inc.(シーアイインク)がビジネスコンテスト部門のグランプリを獲得しました。

 あずかるこちゃんは、スマホなどで近所の病児保育施設の空き状況を確認して24時間いつでもオンライン予約できるシステム。詳細は関連記事を参照いただくとして、同社代表取締役の園田正樹氏による、働きながらも安心して子供を産み、育てやすい社会の実現をめざすという想いの詰まったプレゼンは熱く、多くの聴衆を引き付けていました。

 筆者も魅せられた一人。そんなサービスができればもっと早くほしかった、そして今後普及が進めばいいなと思って、話を聞いていました。

 筆者には現在、小学生と中学生の娘がいます。子どもたちが保育園に通っていたころは、突然の高熱に何度悩まされたことか。けれど、病児保育施設は結局一度も利用しませんでした。というのも、比較的安価で利用できる区の委託を受けた施設を利用する場合、これだけ煩雑な手続きが必要になるからです。

 まずは利用したい施設にあらかじめ事前登録をしておく。実際に利用が必要になったら施設へ電話で空き状況を確認して予約する。その後、医療機関を受診して「利用連絡票」を記入してもらい、それを病児保育施設に提出してはじめて利用が認められる。

 そう、事前登録していた施設に「空き」がなければ、アウトです。複数の病児保育施設に事前登録をしておけばどこかに空きが見つかるかもしれないけれど、それもすべて1軒ずつ電話確認が必要。しかも医療機関に利用連絡票を出してもらわなければならず。

 久々に区のウェブサイトを見たところ、今も全く同じ仕組みで運用されていました。

 こんな面倒な上に確実性のないやり方ではとても頼りにならないと思い、我が家の場合、基本は、夫婦で互い時間休を取り合うなどして仕事を何とか調整。ただ、それが難しい場合は、病児保育を行っているベビーシッターサービスを利用して、自宅でシッターさんに看てもらう。さらに、子どもの病気が長引きそうなときは、遠方に住む私の母を呼んだこともありました。孫の顔見たしのばぁばは最初はいつも喜んで駆けつけてくれるのですが、高齢のため数日経つとやはり疲れるようで、こちらも申し訳ない思いでいっぱいでした。

 保育園のママ・パパ仲間も皆さんそれぞれかなり苦労していました。そこでよく聞かれたのがこんな話でした。小さい子どもの急な発熱には医療機関から解熱剤として座薬が処方されることが多いのですが、「朝、子どもを保育園に送り出す直前に座薬を入れたら、何とか14時ぐらいまでは持ってくれるかな。そうすれば保育園からお迎えの呼び出しがかかるのは15時ぐらい。そこまでは仕事できるから、もうそうするしかないかな」といった内容です。

 実際にその手段を取ったという「体験談」は聞いていないので、未遂に終わった可能性は十分ありますが、座薬を入れて送り出しというのは、保育園あるある話の一つのように感じています。

 もちろん、そんな方法をとるべきでないのは自明の理。あずかるこちゃんをはじめとした子育て支援サービスの普及、さらには勤労者の働き方改革も進んで、安心して子供を産み育てられる社会が実現することを本気で願うばかりです。


(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)