最近、新型コロナウイルス感染症の影響を身に染みて感じています。

 90歳と高齢の親戚が、肺気胸を患いました。肺気胸を経験した方ならお分かりかと思いますが、かなりの痛みを伴います。朝起きて痛みを感じたらしく、すぐに救急車を呼びました。救急車は来てくれたのですが、案の定、受け入れ先の病院が見つかりません。いくつかの病院を当たった末、幸いにも隣の区の病院が受け入れてくれました。救急車が駆けつけてから1時間程度で病院にたどり着くことができ、無事に処置してもらいました。この点は運が良かったと言えます。

 今、病院では面会ができません。ご家族は、病院に入院してからの様子を、お医者さんや看護師さんから聞く以外に手段がありません。親戚(男性です)は、若干認知症がはじまっており、やはり高齢の奥様は、入院であまり人と話さないことで、認知症の症状が進むことを気にしていました。ただ、興味があるスポーツの話は看護師さんと交わしたり、雑誌を渡すと読んだりするということでした。また、入院前は散歩を日課としていましたが、病院でもリハビリを行ってくれるなどで、歩行も問題ないということです。家族からすれば、「家に帰れば、また元に戻るだろう」ぐらいの軽い気持ちでいました。

 ところが、退院を目前にして、入院している病棟のフロアでコロナのクラスターが発生。親戚もコロナに感染しました。コロナが重篤化する兆候は今のところないとのこと。この点に関しても、運が良かったと言えるでしょう。

 問題なのは、急に食欲がなくなったことです。これがコロナの影響かどうかは分かりませんが、既に入院してから2週間以上が経っていました。寝てばかりでは食欲がわかないかもしれませんし、また認知症の影響で食事を拒否しているのかもしれません。いずれにしろ、食事を取らないために10日足らずの間にみるみる体力がなくなり、今では寝たきりになって、排泄も自力では無理だという話です。元に戻るどころか、一転して本格的な介護が必要な状態となって帰ってくることになりそうなのです。

 もちろん、ご家族はいまだ本人の状態を目にしているわけではありません。ただ、げっそりして寝たきリになっているだろう姿を想像し、ケアマネジャーさんと相談しながら、介護ベットをレンタルするなど、受け入れの準備をしています。

 「お見舞いに行けていたら」とご家族の方は言います。毎日、ちょっとの時間でもいいから、家族の口から「頑張ってよ」の声をかけられたら、また食事を取らせることができたら、さらには身体を動かすための介添えができたら──。少しは状況を変えることができたかもしれません。

 ロボットが医療の現場や介護の現場で有効に活用される例が徐々に出てきました。例えば、赤ちゃんロボットが老人の心を和ませたり施設内で徘徊している老人にロボットが話しかけたりといったことが可能となっています。ただし、家族の代わりとなって、本当に相手の心に入り込んで対話ができるようになるのは、まだまだ先の話かもしれません。

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