2月22日に厚生労働省が発表した人口動態統計速報によると、2020年の出生数は前年比2.9%減の87万2683人となりました。新生児の誕生は年々減っていますが、5年連続で過去最少となりました。同じように減っているのが婚姻数で、前年比12.7%減の53万7583組。なんと減少率は、1950年以来70年ぶりの大きさだそうです。こちらは、今後の少子化の進展にもつながるかもしれない衝撃です。

 出産も婚姻も大きなライフイベントですから、新型コロナ感染の拡大により今後の生活の見通しが不安で、ライフステージの大きな変更に躊躇した人が多かったのでしょう。離婚件数が前年比7.7%減になったのも、同じ理由かもしれません。コロナ禍は日本のみならず世界の人口動態に早くも長期的な影響を与え始めています。

 さらに驚かされたのが、東京都の人口減少です。東京都の発表によると2月1日時点の人口は1395万2915人で、前月比で7321人減り、前年同月比でも662人減りました。コロナ禍前は東京都の人口集中が進み、再開発などでタワーマンションが増え、さらなる人口の流入が予想されていたのとは様変わりです。日本経済新聞の2月25日付朝刊では「1996年6月以来、24年8カ月ぶりに前年を下回った。新型コロナウイルス感染拡大で、他県への転出が増えているほか、出生数が減ったことなども影響した」と報じています。

 テレワークなどの在宅勤務の普及で、マンションや戸建ての高い販売価格や賃料を嫌って一定数の住民が他県に転出したのでしょう。そのせいか、帰宅する乗客が集中する時間の郊外行き電車は、従来と変わらないほど混雑している光景も見られます。

 移住意欲が高まった都民の満足させる受け皿を用意し、定住人口の増加につなげられる施策を準備できるのか。都心への便利な移動サービスや出産・子育て、人生100年時代に向けた良好な環境の整備などで先手を打った自治体が、人口増の恩恵を得られるのではないでしょうか。

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