木材利用について、みなさんは実際どのように感じていますか。日経BP 総合研究所は、建築物に関わるステークホルダーから見た木造・木質建築のイメージと課題を明らかにすることを目的に、「建築物への木材の利用に関する調査」を2021年9月に実施しました。調査対象としたのは、設計や施工の担当者、不動産業の従事者、建築物を利用する立場のビジネスパーソンの3者。その概要を紹介します。

 実際に建築物を利用するビジネスパーソンに対し、「あなたは『木材を使った建物』について興味・関心がありますか」を尋ねると、興味・関心があると回答した割合は8割を超える結果となりました。なお、勤務先がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいる場合の興味・関心度は86.8%だったのに対し、取り組んでいない場合は71.7%となり、両者には約15ポイントの差が生じました。

【ビジネスパーソン】あなたは「木材を使った建物」について興味・関心がありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所「建築物への木材の利用に関する調査」)
【ビジネスパーソン】あなたは「木材を使った建物」について興味・関心がありますか(単一回答)(資料:日経BP 総合研究所「建築物への木材の利用に関する調査」)
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 木造・木質建築物のイメージや好感度について、不動産、設計・施工、ビジネスパーソンそれぞれに質問すると、いずれの立場においても「森林資源を有効活用できる」の割合が最も高く、「デザインが美しい」「快適性が得られる」「健康に配慮できる」などの項目も総じて高いなど、回答傾向はほぼ同じ結果となりました。ただ「社会貢献活動、SDGsの一環になる」は、設計・施工や不動産に比べてビジネスパーソンのイメージは低くなりました。

【設計・施工】【不動産】木材を活用した非住宅や集合住宅(4階建て以上)について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)。【ビジネスパーソン】「木材を使った建物」について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)(資料:日経BP 総合研究所「建築物への木材の利用に関する調査」)
【設計・施工】【不動産】木材を活用した非住宅や集合住宅(4階建て以上)について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)。【ビジネスパーソン】「木材を使った建物」について、当てはまると思うイメージを下記からお選びください(複数回答)(資料:日経BP 総合研究所「建築物への木材の利用に関する調査」)
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 調査結果を見ると、木材利用が「社会貢献活動、SDGsの一環になる」という回答は、設計・施工や不動産に比べてビジネスパーソンのイメージが低く、立場の差が生じていました。その一方で、勤務先がSDGsに取り組んでいるビジネスパーソンは興味・関心度が高い傾向が明らかになりました。木材は人間の身体や心理に良い影響を与えると言われています。木造・木質建築の効率的な普及を見込むには、対象とする建物の入居企業や利用者の属性を把握する必要もありそうです。

(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)