世界でも類を見ない超高齢社会に突入した日本。ならば、高齢になっても生き生き元気に過ごせるよう、健康寿命をいかに伸ばすかが国の重要な政策課題となっている。政府文書にあふれる「健康寿命延伸」のフレーズは、一般レベルでも叫ばれることが増え、国を挙げての健康増進、健康長寿というムードが広がる。

 この雰囲気、ちょっとこわいし、考えさせられる。健康ってそんなにいいものなの? では健康ではない人はダメなの? そもそも健康って何? と。

 病気になりたい人なんていない。それに、健康に関しては、誰もが意識が高いに越したことはない。でも、人の心と体の健康は、努力すれば必ず報われものでもない。

 実際、病気を引き起こしたり健康を損ねたりする要因は様々だ。自己の管理能力の低さから来る生活習慣要因も一部あれども、遺伝要因、外部環境要因、要因不明なもの、突発的な事故など、多岐にわたる。そう、病や不調はある日突然にやって来たりするのだ。

 だから健康ではない人がダメということは決してない。苦しい状況でも必死に生きている人たちはごまんといる。いや、「必死に」なんて言うのはおこがましいだろう。その人がどう生きているかを他人が推し量ることなどできないからだ。

 当サイトBeyond Healthのキャッチフレーズは、「健康であること」のその先へ――。それが決まった後に筆者は当編集部へ異動してきたが、このキャッチには「健康であること」だけがすべてではないとの意味も込められていると個人的には感じている。常に広い視野で取材を続けていきたい。

(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)