新型コロナに関するデータは世に膨大にあるが、それらを精緻に組み合わせて分析を重ねていくと、どんな社会や新規ビジネスが見えてくるのか――。こんな取り組みを進めるのが、企業間のデータ売買を手がける日本データ取引所(東京・渋谷)だ。6月1日、「新型コロナウイルス感染症ファクトシート」を公開した。 

 まずは、日本と世界の新規感染者数と、コロナ関連のニュース記事、インターネット検索、SNS投稿それぞれの件数推移を指数でファクトシートにまとめた。テレビ局などメディアが流したネットニュース報道でコロナに関する大きな話題があると、Twitterの投稿数は連動して伸びていた。が、関連用語のネット検索件数は必ずしも連動せず、とりわけ昨年8月中旬など、増減に少し乖離があることなどが分かった。

 海外では、英オックスフォード大学などが運営するOur World in Dataの「Coronavirus Pandemic」や、データ取引の仏Dawex Systemsの「COVID-19 Data Exchange Initiative」などの取り組みがある。こうしたデータライブラリ構築の日本版として、日本データ取引所が取り組むファクトシートは位置づけられる。

 日本データ取引所では、このファクトシートへ他社からのデータも重ね合わせていきたい考えだ。マクロレベルのデータとしては気象や気候、株式・金融市場の動向に関するデータ、メゾレベルのデータとしては医療・薬事・社会福祉、人流や交通の推移のデータ、ミクロレベルのデータとしては食生活やメディア視聴、勤務場所などのデータなど、幅広く募集していく。データをクロスさせることで、新たな知見を得るプラットフォームにしていきたい考えだ。

 日本データ取引所は、データ売買の“場”の提供を専門に扱う会社で、国内でこうした存在は極めて珍しい。仏Dawexの提携先である兼松と2019年末に資本業務提携をしている。この7月からは、「買える! データの図鑑」と銘打ったデータマーケットプレイスの「JDEX」を通じて、こんなデータを買いたい、こんなデータを売りたい、といった企業同士を結びつけるプラットフォーム事業を始めるところである。

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