新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークや外出自粛などで、以前より座っている時間が増えたという人も多いのではないでしょうか。

 とはいえ、座りっぱなしに良いことはなく、健康面で長期的な影響が生じる恐れがあるという研究結果はいくつかの国から相次ぎ報告されています(関連記事:日常の企業活動の中で「がん」と真剣に向き合う時期に来た)。

 実は、他国と比較して、日本国内での座位時間に着目した研究は限られていたのですが、京都府立医科大学などの研究グループはこのほど、6万人を超える日本人を平均7.7年間追跡したデータを用いて、座っている時間と死亡率の関係性を分析。その結果、参加者全体では、日中の座位時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加し、とくに生活習慣病の有病者では、脂質異常症は18%、高血圧は20%、2型糖尿病は27%、それぞれ死亡リスクが増加することが確認されました。

 生活習慣病のない人でも、座位時間が長いと、死亡リスクは13%増加。脂質異常症、高血圧、2型糖尿病の3つすべて保有している人に至っては、42%も死亡率が高くなっていました。

 また、同研究では、余暇時間の運動量ごとのデータもまとめており、そこからは思わぬことが明らかになりました。余暇時間の身体活動(METs:身体活動の強度基準)の量に応じて、4群に分けて解析したところ、余暇時間の身体活動が増えても、座位時間による死亡率の減少効果はわずかでした。つまり、空いた時間に運動しても座りっぱなしの危険は相殺されない可能性があるというわけです。

 もっとも、運動に意味がないわけではなく、健康増進に効果があるのは確か。大事なのは、余暇時間にまとまって運動しているから座位時間が伸びても大丈夫という発想は禁物で、日ごろからこまめな運動を適宜実践しながら、座っている時間をいかに減らしていくかということが、カギを握るといえます。

 2020年11月、WHO(世界保健機関)が10年ぶりに更新した新たなガイドライン「運動・身体活動および座位行動に関するガイドライン(WHO Guidelines on physical activity and sedentary behaviour)」でも、「座位行動は最小限にとどめて、低強度でも問題ないので身体活動を取り入れることを推奨」と記載されたところです。

 座りっぱなしで、肩こり・腰痛がひどく、下半身もむくむばかりの筆者。座位時間が長くなると、強制的に打ち切りタイムが知らされ、思わぬニヤリとできる楽しい気分転換できる仕掛けの登場を心待ちにしています。

(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)